sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

KORGはやっぱり頑張っていた!

早く更新したかったんだけど、酒宴でこんな時間に。
さあ、この動画を見るのだ!

予想通りと言いますか、minologue xdが2月下旬に税別69,000円で発売されるとのこと。

機能的に追加されたのは、ざっくり下記の3つ。

  • 2VCOにprologue同等のマルチエンジンを追加。オリジナル・オシレーターのロードに対応
  • 3タイプのデジタル・エフェクト(MODULATION、REVERB、DELAY)を同時使用可能。
  • monologueにあったドライブを搭載。

で、ボイスは4つで先代と変わりませんが、minilogue独特のボイスモードは、ボタンから4段のスイッチに変更。ボイス・モード・デプス・ノブの併用によりDUOやMONOなどにも変えられるとのことで、DELAYとSIDE CHAINは取り除かれたようです。

ちゃんと弾けるシンセで、音的にも3オシレーター仕様、3系統のエフェクト、過去シリーズのいいとこどりで、同クラスでは頭ひとつ抜きん出た印象を受けました。
アナログ部の各パラメーターも改めてチューニングし直されたとのこと。先代とはどの程度サウンドが変わったかも注目ですな。

そして、minilogue xdに加え…

以前「ガセだろ」と断じたvolca modularとvolca drumの実在が確認されました。
うわー、疑ってごめんなさい。生まれてきてごめんなさい!

上記の動画を見ると、どちらも「えっ、こんな音出るの?」とただただ驚くばかり。これまで僕が収集してきたvolca昔話の延長では語り尽くせないほど、新機能のオンパレードです。
個人的にはvolca drumのサウンドの方にビンビンです。

ということで詳しくは、下記サイトを見てください。
逃げろー!(cv いかりや長介

【備忘録】TORAIZ AS-1関連記事etc.

年明けで仕事もレギュラーモードとなり、残業から家に戻り飯を喰らい、風呂に入り眠くなるまでのわずかな時間、寝室の床に胡座をかいてAS-1を弄ってるのが至福という、そんなまもなく50歳です。

1日1音を目指してサウンドメイクなんぞに励んでおりますが、ユーザーバンクの495音は果たしていつ埋まるのだろうか…。

さて、今回は備忘録的にAS-1のレビュー動画やリンクを貼っておきます。
他のメーカーに比べて取り扱い店舗も少なく、またWebメディアにもさほど取り上げられてないので、ご興味のある方は是非とも何卒。

国内のレビューは、メーカーのプレスリリースをベースに書かれたものが多いんですけど、サンレコ松前さんの記事はそこそこ主観が入ってます。

こちらは当ブログでもちょいちょいリンク貼ってますが、島村楽器名古屋パルコ店の独自記事で、Pioneer DJの開発者インタビューです。僕はこのお店で購入しました。

soundropeはAS-1をプッシュする数少ないメディアですが、その中からコンパクトサイズのシンセとしてAS-1とKORG monologueを比較した記事。
対談方式で双方の特徴がわかりやすく書かれています。

そのsoundropeが作成したチュートリアル動画リスト(全9本)。
たぶん日本人にとって、これがAS-1のサウンドと機能を知るのに一番手っ取り早い動画群かと。

そしてご本家Pioneer DJからのチュートリアル動画リストですが全編英語です(日本語字幕はないのよ)。
MADE IN USAだと思うんですが、先生様のブリテン風なアクセントがちょっとクセになります。
17本に渡り各パラメーターや機能について懇切丁寧に紹介してくれます。

SEQUENTIAL社製品のサウンドデザインを手掛けるMatia Simovich(INHALT)氏。
もちろん、AS-1のプリセットにも氏のサウンドが多数含まれてますが、それに加え、さらに魅力的な99パッチ(+シーケンス)を自身のサイトで販売しちゃう大食漢ぶり。

このデモ動画からも「AS-1一台あれば、ご飯が何杯も進むぞ」という井之頭五郎魂を感じとれます。

さほど趣味に割けるお金も時間もないので、「極めつけの一台!と言えるハードシンセを買っとこうかな」と、夏からリサーチを始め、音の良さとコストパフォーマンスで絞ったのは、AS-1とRolandのSE-02でした。

アナログには何のこだわりもないけれど、たまたまこうなった感じです。

2台の機種名を検索に放り込んで出てきたのがこのフォーラムで、最終的なプッシュ材料となっています。無論、Google検索なしには読破できませんでしたが。

https://www.pioneerdj.com/ja-jp/support/documents/production/toraiz-as-1/#manual

おまけにAS-1の取扱説明書。
本機にはクイックガイドしか付属しておらず、取説は上記サイトからPDFで落とせるんですが、これが最近のシンセでは特筆ものの丁寧ぶり。
25〜26ページの「オルタネート・チューニング一覧」の解説なんて、その由来まで書かれるほどの詳しさで涙が出ます。

パラメーターがほとんど同じのProphet-6ユーザーも、そのまま利用できるんじゃないでしょうか。


そんなわけで、ネット界隈からこれはというものをまとめたんですが、寂しいことに検索しても、しっかり向き合って書かれている記事はこの程度で、あまり話題になってないんですなぁ。

トゥーマッチなプリセットとノブの少なさから、メーカー側、特にデイヴ師匠はシンセ初心者向けツールとして開発されていると思うんですが、こんなダメブログへ来訪しちゃう、それなりの好事家の皆さんにこそお薦めしたいシンセなんですよね。

まあ、もし気が向いたら是非に、ということで締めます。

シンセメーカー雑感

お値打ちなシンセについていろいろと書き散らしている当ブログですが、「あれ、こないだ国内で発売されたアレは?」という方もいらっしゃるかと思われます。

別に「このパチ◯ンがぁ」と、後ろ髪を触りながら武田鉄矢のモノマネをする気もないですし、先日散財検討のために楽器店で製品にも触れてます。
なおかつ、日頃このメーカーのミキサーでささやかなシンセライフを満喫している身なので、その品質を批判するつもりはございません。

ただアタクシとしては、各メーカーが協業してより良いシンセ作りに励まれている昨今、企業同士のリスペクトは最低限必要じゃないのかなと思います。

仮に「世界一売れている」が事実にせよ、取り上げることで良い思いをしない方がいるのなら、ここのシンセについてはしばらく言及しない方がよいのかな、という気分でございます。

ご了承のほど何卒。

CRAFT synth2.0がブレイク中。タッチパネルがトレンド化?

イギリスのシンセメーカーModal Electronics (モーダル・エレクトロニクス)が、モノフォニックウェーブテーブルシンセ「CRAFT synth2.0」を発表し、クラウドファンディングサービスKickstarterで出資募集しているようです。

開始から24時間で目標額の調達に成功したそうで、新春早々景気のええハナシでございますな。

音源部にVA音源やモーフィング波形を含む8つのオシレーターを採用したり、リングモジュレーションやクロスモジュレーションを搭載したりと、なかなか過激な音色が出るようです。
プログラミング可能なアルペジエイターや、SYNC可能なディレイも付いており、ひとりでも寂しくないやい的な機能満載です。

10日までは108ポンド(約1万5千円)で販売されるとのことで、ガジェット好きなら手に入れるべきでしょう。
僕は散財直後なので諦めてますが。

"2.0"という名からわかるように、CRAFT synthには先代バージョンがありました。
初歩のラジオ』の広告に出てそうな、工作キット感が満載です。

Modal Electronicsは、日本では馴染みがないメーカーですが、001、002、008という独特のデザインを持つシンセをいくつか発売しています。
これらのモデル、お値段は結構するようですが、個人的になかなか好みです。

昨年は4ボイスのVAシンセ「SKULPT synthesiser」を発表し、同じくクラウドファンディングで受注、こちらも目標の3倍売り上げたと話題になりました。

SKULPT synthについて知ったのは去年の9月頃。
まさに僕がシンセを選ぶ基準(こちらを参照)を全て満たしていたので、レビュー動画も興味津々で観てたんですが、日本への発送について不安もあり、選択肢から外してしまったんですよね。

国内でFiveGさんなど受注していた店舗もあったと知ったのは、AS-1を購入した年末でした。

それにしても何かい、AS-1といい、UNO SYNTHといい、SKULPT synthといい今回のCRAFT synthといい、タッチパッド式鍵盤は最近のトレンドなんですかね。

4者に共通しているのは、シーケンサーやアルペジエイターは当たり前、エフェクトも付いてスタンドアロンで遊べつつ、MIDIキーボードとの接続がケアされていたり、PC用にエディターを配布している点。
この辺りは廉価シンセの先駆者、KORGのvolcaシリーズにはなかったところ。

音源部に限って見ても、AS-1はProphet-6と同レベルの音作りができ、同じく完全アナログのUNO SYNTHは自己発振しない点を除けば、かつての入門モデル以上の標準的シンセですし、Modalの2機種もVAではありつつ、パラメーターはワンランク上のシンセ群を圧倒するほど豊富です。
それぞれの価格を見ると、monotronに狂乱していた9年前が遠い昔のようです。

音源部やコントローラー、シーケンサーという機能面になるべく資材を注ぎ、インターフェイスを簡素化してお安く提供、というのはある種の良心かもしれません。

ユーロラック系の流れとはまったく逆の、オールインワン的展開として見るのも一興ですな。

あとは個人的には、ノブが30個以上付いたMIDIキーボードが出れば、こうした高機能シンセが本格的な音楽現場に普及するのではないのかな、というところでございます。

KORGもまだまだ頑張ってる?

平成最後のお正月を前に、欧米諸国ではこんな記事が出回っておりました。

今年minilogue xdという新機種が出るのでは?という話題がリークと思しき画像とともに騒がれております。

その画像から、prologueに搭載されたマルチエンジンがOSC3に使われているらしき点。そしてシーケンサーはmonologue同様の16ボタン仕様、コントローラーがジョイスティックに変更、などの点が推測されています。

これまでの◯◯logueシリーズでの進化が反映されているところから、割と真実味もあるとのことで、気の早い人は発音数や価格に興味を持っている模様です。

実は先月のAS-1購入前、minilogueも選択肢のひとつでしたので、「もしもの涙目」を回避できて安心してしまった自分がいるのですが。

それと、このminilogue xdより先に、volcaシリーズについても、このような記事が上がっていました。

2機種についての記事ですが、まず"volca modular"は、その名の通りモジュラータイプのアナログシンセのよう。
よく見るとパラメーターごとに3ピンFANコネクタのようなものが見えてます。いや、でもこれ、サイズ的にはもっと小さいな。しかも画像が歪んでるのか、ノブが随分とめり込んでるように見えます。

一方の"volca drum"ですが、こちらはデジタルドラム音源だそうで。LEDディスプレイから想像するに、レイヤーで波形を重ねていくんですかね。サウンドは6パートあるようですが…。

ただですね、ずっとシリーズを買ってきた自分としては、「ホンマかいな」という気持ちが強く。
デザイン的にもレイアウト的にも、これまでのvolcaにはなかった「あれ?」という違和感があって、なんとなくガセ臭も漂うんですけどね。

ともあれ、高橋達也さんというアナログの牽引者を失いながらも、prologueを開発してきたKORGのこと。今後これらの情報がガセでないかを含め、見守っていきたいと思っております。

(19/1/16更新)ガセじゃなくガチでした…

二〇一九年の鳴らし初め

昨年はお世話になりました。
今年もお世話になります。

元日は生放送のために仕事始めとなったのですが、本日からまたしばらく年始休みとなりまして、心機一転、書き初めならぬ鳴らし初めを執り行いました。

こちらは単にAS-1のデモ6音分のシーケンスをBPM130にして重ねただけでございますけども、特にコンプをかけなくてもそれなりに音圧があって、どの音も埋もれないというのは流石であります。

一夜明けて、こちらは1980年頃の坂本教授っぽい音を作って4音重ねました。まあかなり「HAPPY END」に寄せましたが。

鐘のような音は専らLFOによるモジュレーションを使い、エフェクトのリングモジュレーターは使用してません。

どこかで読んだんですけど、Prophet系のモジュレーションはかなりデリケートで、かかるかかかってないか位のところで絶妙な変化が起こるそうで、AS-1でも同じ印象でした。
逆にパラメーターを極端に上げると、まるで使えない音が生まれてしまい、昨今の「どうセッティングしてもそれなりの音になる」アナログとはかなり違うもんだなぁと。

ドラムは1音でバス、スネア、ハットを鳴らしてます。音源はOSCは使わず、LPFの自己発振をLFOモジュレーションで加工、仕上げにレートを最高にしたBBDエフェクトを振りかけると、『B-2UNIT』感満載のドラムの出来上がり。

何はともあれ、こんな感じで1音決めるのに30分くらいかけるほどにダラダラと過ごしておりますが、自分も含めて皆さま、本年も良い一年でありますように(取ってつけた感 )。

キーマガのYMO機材特集がすごい。

軽く立ち読みするつもりが「やばい、これは完全保存版だわ」と、レジへ向かうワタクシ。
今月発売のKeyboard magazine(2019冬号)の話です。

先日もリマスタリング・ベスト盤『NEUE TANZ』の話題をしましたけど、今年は(今日で終わるけどさ)YMO結成40周年なのです。

そこで前号(2018秋号)に続きYMO特集が組まれたわけですが、今回はこんな駄目ブログを読まれるような方には感涙必至の機材徹底検証です。

YMOの使用機材については、これまでも『大人の科学マガジン シンセクロニクル』などで部分的に触れられていましたが、今回のキーマガさんからは、バラエティ番組に娘と出演するアニマル浜口さんのごとき気合いが、ひしひしと伝わってまいります。

なんと65ページもの大ボリュームで、YMOチルドレン御一行様には垂涎モノです。

まず機材の変遷が、結成から93年の再結成までアルバム、ライブごとに記され、各機材の紹介。どの曲のどのパートに使用されていたかまでフォローされています。

続いては案の定松武秀樹さんのインタビュー。ここでは、「なぜモーグのシンセは太いと言われるのか」という永遠の謎に対する氏の分析が必見。

そして驚くべきは、YMOの仕掛け人・元アルファレコード社長にして名コンポーザー村井邦彦さんへのロングインタビュー。これ、キーマガですよ。レココレじゃありませんよ。
アルファが誇る当時最新鋭のスタジオA、はたまたアメリカの名門レーベルA&Mを巻き込んでのYMO戦略の秘密や、最近「ライディーン」を真剣に聴いてみたという、ざっくばらんなお人柄も見えてくる良き取材。

さらに『BGM』以降に本格的なキャリアをスタートさせた飯尾芳史さん、藤井丈司さんの元テッキーズによるインタビューは、克明なサウンドメイク術のみならず、若手ゆえの新鮮な日々が滲みわたる素晴らしい内容です。
藤井さんが初春に出版されるという『YMOのONGAKU』(仮)なる著書も楽しみです。

太陽さん

太陽さん

ちなみに、後半の12ページは、過去のキーマガからYMO関連の3記事が再掲されております。

当時の記憶では、ブームが落ち着いてからの『テクノデリック』『浮気なぼくら』について、そのレコーディングを追った資料が少ない印象もあり、個人的には楽しめました。
文体やレイアウトなどに「80年代ってこうだったよね(白目)感」も漂いますけども、それもまあ良しかと。

しかし、今回の特集で何より感心したのは、この特集のほぼ全編で執筆・構成された布施雄一郎さんの力量です。
シンセをはじめとする電子楽器や録音機材に対する知識も深く、すれっからしの好事家も納得の内容だと思います。
前回の特集と合わせて単行本出してもいいんじゃないですかね。

Keyboard magazine (キーボード マガジン) 2018年10月号 AUTUMN (CD付) [雑誌]

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Keyboard magazine (キーボード マガジン) 2019年1月号 WINTER (CD付) [雑誌]

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ちなみに付属CDには、読者からのYMOオマージュな楽曲を収録。「ファンがYMOを目指すとOMYになる」という定理が脳裏をよぎりつつも、なかなか楽しめました。

ちょうどTORAIZ AS-1でProphetサウンドの再現に興じているタイミングだったこともあり、ややテンション高めでご紹介しました。