sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

THEREMINIを買ったついでに人生設計。

昨日購入したmoogのTHEREMINI(テルミニ)に、今日スタンドを付けて、人前に出て演奏する準備が整いました。
あとは練習のみであります。

50歳になってから2ヶ月ほど、あと何年生きるのかと思っているうち、自分の趣味である音楽にどう向き合おうかと、わりと真剣に考えておりました。

思えば12歳からシンセサイザーを始めて周辺機器とラジカセを何台も繋ぎ、20代になってオールインワン化でラクになったと思えば、30代はライブハウスにシンセを運んで腰を痛め、40代にはiPhoneでほぼ全ての創作を賄うようになり。

さて50代もソファ横たわって曲を作り、YouTubeに公開するだけの寝たきり音楽家のままでいいのだろうか、と悩んだわけです。

小さなハコでも、区の文化小劇場のナントカ大会でも、あるいは自己啓発セミナーの余興でも、どこでもいいから、人前で演奏できる楽器はないだろうかと。
最近仕事で講演だの講義だのやってると、たまには人前に立つことがそれなりに大事かなと気づくこともあるわけです。

かと言って、今からバイエルからやり直すのも気が滅入るし、駅前の新堀ギターに通う気にもならないし、ヤマハ音楽教室で「どんなときも」をサックスで吹き鳴らすのもナニですし。

さてどうしようと思ったところ、10年ぶりにテルミンの存在を思い出したわけです。
そういや、あれなら安い機材でもそこそこ弾けたじゃねぇかと。

で、いろいろ機材を物色するうちにTHEREMINIに行き着きました。

テルミン原理主義の方からは散々叩かれているマシンではありますが、クラシックの名曲からクラブサウンドの上物まで幅広く使えそうなのはこれだけでした。

ということで、近々自己啓発セミナーの主宰や、30人くらいのお年寄りを相手に壺など売り付ける予定のある方、その場でちょっとした音楽が必要であればお声掛けくださいませ。
目下寝室にて特訓中であります。

案の定、THEREMINIを入手。

以前、何年かおきにやって来るテルミン熱の話題を書きましたが、やはりというか、どうせというか、ほれ見てみぃと言われるのも承知の上で、moogのTHEREMINIを購入したでござる。

http://www.korg-kid.com/moog/wp-content/uploads/2016/09/1-22.jpg

Theremini – moog

現在流通しているテルミンは種類もさほど多くなく、ピッチ用とボリューム用アンテナを持つ演奏用に適したものではmoogEtherwave StandardEtherwave Plus、学研のテルミンPremium、そしてこのTHEREMINIの4択になると思われます。

いきなりBig Briar(現在のMoog Musicの前身)のModel 91Aの出物を狙う野心家さんの場合は別ですが。

THEREMINIは、Animoog由来のDSP音源、スピーカーとディレイを搭載し、スケールによって外しようのない演奏が可能な上に、MIDIやCVコントロールまでできるという、正に「悪魔の楽器」。

誕生からおよそ100年経ってようやく実現したDSP音源。おそらくmoogだからこそなし得た(原理主義者も黙認した)進化だと思います。

多機能ながら4万円前後で、テルミンPremiumのすぐ上の価格帯となるわけですが、考えてみればmoog製ハードにしては破格の安さです。

発売からすでに5年ですが、なぜか縁がなかったんだよねぇ。

流石に発売から日が経ちすぎたせいか、ネット通販には苦労して、3軒目でようやく新品をゲット。
つか、新商品でもないのに入荷未定のものを掲載すんなよなぁ、某店と某店は。

諸事情で職場に配達してもらったので、スタジオにて開封の儀なぞ。

そうそう。ハードウェアとしてはマイ・ファースト・モーグなんですな、これが。
だからパッケージが新鮮でした。

箱を開けてまず目に飛び込むのは「Mooooooog」の文字。おっと"o"が多すぎた。

裏は英文のクイックスタートになっております。
箱の中には本体の他、英語版マニュアルと日本語版、レジスターせい、ファームアップせいと促すメモ、そして保証書、電源系が入っております。

スタジオに譜面台しかなかったので、やむなく乗せてみたわけですけど、ホントは本体の下に金属があっちゃイカンのですよ。
干渉しまくりですから、御法度中の御法度。

まあこんな状況でもキャリブレーションすれば、THEREMINIも「そういうもんか」と納得してくれるようで、それなりにアンテナは機能してくれるんだけどね。

そういう事情でボリュームアンテナの効きには目を瞑り、まずはピッチを探ってみます。

やはり譜面台の影響なのか、安定してるのか不安定なのかよくわからない。ということは不安定なのか。

とは言え、ものの1、2分でクローズポジションからの運指もこなせ、定番の「星に願いを」はなんとか弾ける程度に。
スピーカーとディレイがあるのは最高だなオイ。

普段シンセを扱っていれば、モニターもエフェクターも常備してると思いますが、初めての楽器がテルミンともなると、Etherwaveだったらスタンドにアンプにエフェクトでざっと10万超えでハードル上がっちゃいますから、なにしろ。

しかもありがたいことにヘッドフォンジャックも完備。深夜のレッスンもこれで安心。

フロントの液晶では現在鳴っている音階と、ピッチが正しいかを確認できます。
曲の出だしをキッチリ決めたい時は、ボリュームをオフにした状態で右手をスタンバイしておけばいいわけです。

便利な機能とは思う反面、結構チラチラと視界に入ってきちゃうので、演奏に集中できない人もいるのではないかと。

さて、THEREMINIの魅力のひとつはAnimoogエンジンによる多彩な音源。オリジナルのテルミン波形を含め32音がプリセットされています。

中には本家Animoog同様、時間軸のモジュレーションが入ったものもあり、ディレイの効果と相まって、あのスペーシーなサウンドが楽しめます。

なお単体ではプリセット音をエディットできません。
その代わり、moogではipad/Mac/Win用のエディターを無料配布しています。

ちなみに製品ページではiPadアプリしか見当たりませんが、ユーザー登録すると、メールでMac/Win用アプリのダウンロードURLが送られてきます。
だから「レジストせい」というお知らせは大事です。

https://is2-ssl.mzstatic.com/image/thumb/Purple3/v4/75/8c/73/758c73b9-fb48-6358-ba28-91af6e5d605e/mzl.ocjiierp.PNG/643x0w.jpg

画面はiPad用のもの。PC用もほぼ同じです。
パラメータはアンテナに紐付いた変調もありますが、基本的には減算方式のアナログシンセに馴染みのある人にも扱いやすいもの。
USB接続されたTHEREMINIの発音にもすぐ反映してくれます。

ただ、もうひとつの売りであるスケールですが、通常のテルミンの演奏に慣れてしまうと、どうもしっくり来ないということは書いておきます。

初めてテルミンに触れる人にはいいんでしょうが、ある程度かじってしまうと、結局ピッチの変化幅を通常のテルミンに修正してしまうかと。

そうそう、ファームウェアのアップデート確認は必須(2019年6月時点で1.1.1)。
アンテナからのビッチ幅が改善され、ノブの挙動がオリジナル・テルミンに近くなるTHEREMIN MODEが追加されます。

とりあえず今日はこんなところで。
自宅に帰って頑張って弾きこなしてみよう。

小型サンプラー登場に「やっぱりハードだよな」と思う。

どんなWebサービスにおいても、「あなたへおすすめ」やプリロール広告というのはとてもウザイのですが、たまには有益な情報もあるもんだと感じた件。
これは思わず「おっ!」とクリックしてしまいました。

この"blackbox"、ひと目見て何ができるとかではなく、まずそのサイズ感にピクリとしました。
こちらが商品ページのようです。

動画の公開から3週間ほどですが、すでにメーカーサイトでは在庫切れとなっております。

https://1010music.com/wp-content/uploads/2019/03/1010Music_Blackbox_06-Warm.jpg

見たまんまインターフェイスにタッチスクリーンを採用したサンプラーで、波形エディットはもちろん、シーケンサーも内蔵したワークステーションのようです。
また波形をスライスすることも可能とのこと。

波形はmicroSDに読み書きでき、USBによって拡張もできる模様。

これがハードで、しかも恐ろしくコンパクトなサイズで発売されたことにかなり興味があります。

メーカーの製品サイトを見ていると、シーケンサーやらポリシンセやらエフェクターやら、ほぼ同じサイズのタッチスクリーン付きモジュールが並んでおり、どれも599.95ドルという、スーパーの特売のような値付け。

機能的に見ると、今回の"blackbox"は、それぞれのいいとこ取りをしたようなオールインワン機器という印象です。

"blackbox"は、昨今の多機能なDAWに比べればミニマムな仕様ではありますが、こういう機材を目にすると、途端にアドレナリンが分泌しちゃう貴兄も多いかと。

ヴィンテージな機材を何台も揃えたり、プラグインをやたら入れ過ぎてドンシャリ化させるより、逆にメリハリの効いたアレンジができるとも言えます。

ちなみに現時点で国内での取り扱いはありませんが、1010music製品はRock oN Companyさんが販売していますので、そのうちラインナップされると思います。
焦らずにパンツ脱いで待っとけ、というところでしょうか。

さて、僕がiPhoneのシンセアプリ群に惹かれるのは、まさに手の平で世界を制覇できる(個人の感想です)夢を描けるところにあります。

安いシンセや周辺機器を繋いで10代にやってたことが、20代にオールインワン化し、やがて30代で重いハードに腰をやられ、40代に手の平化。肉体も脳も老化していく中、創作意欲と仕上げはむしろ加速しています。

ただ、アプリがいくら高音質化しても、ハードには太刀打ちできない「壁」があります。

その「壁」が何か、というのはDAWにしか向き合ってこなかった人には理解できないと思うので、説明は割愛しますけれども。

世界を変えちゃうのは案外こうした小型のハードかもしれないな、とわかる人にしかわからないハナシで終わります。
生きててごめんなさい。

真空管やら円盤やら…新音源スケスケシンセがトレンド?

先日KORGからvolca modular、volca drumの2機種が出たと思ったら、またもや新機種登場で、界隈は騒然としております。

https://cdn.korg.com/jp/products/upload/07887ab0a1001f02a115e9c90af92da6.png

ありそうでなかった青のvolca。黒とのグラデーションで引き締まったナイスなルックスですな。

数年前にKORGから発売されたのは知ってましたが、音楽用途で買おうとは思ってなかった真空管Nutube。
まさか音源として登板することになろうとは。パネルにも青々と輝くNutubeの勇姿がスケスケに曝け出されております。

ご存知の方も多いでしょうが、これまでKORGは、真空管をこれ見よがしに搭載した楽器をいくつか発売しています。

http://www.vintagesynth.com/sites/default/files/2017-05/emx1.jpg
vintagesynth.com

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/dc/Korg_TRITON_Extreme.jpg
commons.m.wikimedia.org/

これらの楽器では音源のアウトプットに、エフェクト的に真空管が使用されておりました。
"Valve Force"なんてフレーズも懐かしいですなあ。

ところが今回発表されたvolca nubassは、真空管オシレーターに採用しちゃった、というところがなんとも斬新です。
世にも珍しい真空管シンセサイザーであります。

実は「真空管シンセ」というフレーズに見覚えがあるな、と思ったらコレでした。

これはPC音源ですが、調べたところ、ハードでも真空管オシレーターに使用したシンセはありました。

当然気になるのはサウンドです。
見るからにアナログで、割ったら中から香ばしい匂いがプイーンと漂いそうな真空管ですから、これが音源ともなれば、随分な電子音が轟く予感がいたします。

volca nubassのオフィシャル動画では、キックとシンクさせていてわかりにくいため、単体の音はこちらで。

動画なので、圧縮やらなんやらでそのものズバリの音ではないでしょうが、意外と鼻摘まみ系な音です。
これまでのMS-20直系からラダーフィルターに変わったこともあるでしょうが、いい意味で存在感のある、端的に言えば癖のあるサウンドだなと思いました。

さて、真空管とは別に、一風変わったシンセも登場しております。

おなじみのICONさんによれば

そんなGamechanger Audioが今回お披露目した「Motor Synth」は、世界で初めて“電気機械方式”を採用したデスクトップ・シンセサイザー。光学式ディスクを小型の直流モーターで高速回転させ、ディスクに印刷された波形を赤外線フォトセンサーで読み取ることで音を生成するという、大変ユニークなシンセサイザー

だそうです。
しかも4音ポリの2レイヤー、シーケンサーとアルペジエイター搭載、CVアウトもあるということです。

なんというか、8つの円盤がクルクル回ってるだけで満腹感がハンパないのですが、実際にネット上でアップされている音を聴くと、不安定かつ不思議なサウンドです。
目を閉じて聴かないと、自分を見失いかねませんね、これは。

これらもアナログシンセとカテゴライズされるんでしょうが、これからのシンセは、アナログVSデジタルで語るものではなくなりそうです。
現場からは以上です。

moog、ポリなのかパラなのか問題。

先月24日、このシンセ動画がSNSを飛び交いました。
http://www.korg-kid.com/moog/wp-content/uploads/2018/09/Grandmother.jpg
あれ、去年発売したGrandmotherじゃないの、と思ったわけですが。
上の動画に映ってたのはこれ。

https://api.moogmusic.com/sites/default/files/styles/super_key_2x/public/images/2019-04/Matriarch_Wood_Background-26_web.jpg

今回発表されたのはMatriarchという新機種です。

49鍵 、アナログ4VCO、ステレオアナログディレイ、アルペジエイター、シーケンサー搭載で、おまけにモノ/2ボイス/4ボイスに切り替え可能とか。
さらにGrandmother同様、パネルには90ものパッチポイントがあり、モジュラー愛好家も満足できるかと。

まだ日本の公式サイトでは何のアナウンスもありませんが、本家サイトにおいて、本製品はポリフォニックではなく、パラフォニック・シンセと呼ばれています。

https://www.moogmusic.com/products/matriarch/

つまり実質4VCOのモノシンセだけど、2VCOの2音(デュオフォニック)にも、1VCOの4音にもなるよということです。
当然ながら音自体の厚みは、発音数が増えれば減ってしまうわけで、我々ニッポン人としては「KORGのMono/Polyみたいな感じだね」と考えればいいんでしょう。

夏に発売とのことで、アメリカでの価格は1,999ドル(約22万円)だそうです。
Grandmotherの2倍強の価格ですが、何かを我慢すれば手を出せる方も多いでしょう。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fa/Moog_Polymoog_Synthesizer.jpg

思えばmoogというメーカーは、誰もが認める超老舗でありつつも、ポリシンセについてはPolymoogやMemorymoog以降40年近くノータッチ、アウト・オブ・眼中、作ってやるもんか臭が濃厚でした。

そもそもPolymoogの開発にはモーグ博士が関与してなかったそうで、同社にとってのポリフォニックとは、まあその程度のアレか、ということでしょう。

ところが、最近のモーグはこんな製品を発売しています。

このMoog One、8voiceは5,999ドル(約67万円)、16voiceは7,999ドル(約90万円)とのこと。

こちらも日本では販売されていませんが、かつてのProphet-5やJUPITER-8などの値段を見慣れていると、そこまでの高値感はありません。
ましてやMatriarchの値段を考えれば妥当な値付けとも思えます。まぁ買えませんけど。

RolandのJD-XA、KORGのprologue、minilogue xdといった国産のハイブリッドシンセ群に対し、SequentialはProphet-6、元祖モーグMoog Oneのアナログ・ポリシンセを出してきたのが、80年代初頭のリバイバルかよ、的な様相を呈していて、ちょっと懐かしく嬉しい感じもあります。

TORAIZはどうなるんでしょうなぁ

時代が令和に移りまして、平穏な日々が続きますようにと人々がささやかに祈る中、不穏なニュースに心ここに在らず、というニッチの皆さんも多いかと。

かねてから「飛ばし」と誉れ高きメディアの発信ゆえ、真偽の判定は時間の経過に任せるとして、もし記事の通り、近い将来Pioneer DJという企業がどこかに売却されたとしても、それ以上のハナシではないのかなと思います。

つまり、どこかに売却されたところで突然洋菓子メーカーなんぞに転身するわけもなく、今後もDJ関連機器が作り続けられるのだと思います。

もちろんその際は日本の企業じゃなくなる可能性は高く、ブランド名が残るかどうかも、買い手の気分次第なので全くわかりません。

個人的には、50年の人生で最もハマったシンセTORAIZ AS-1が、このPioneer DJの製品だけに、今後のケアだのラインナップだの気になるところですが、実は半分諦めがついていたところもあります。

というのも先月発表されたTORAIZブランド第3弾、SQUIDがDave Smith Instruments(現Sequencial)との協業商品ではなくなったからです。

https://www.pioneerdj.com/-/media/pioneerdj/images/products/production/toraiz-squid/toraiz-squid-top.jpg

なるべく機材を集約したい個人的な思いとは逆に、タコ足配線必須の製品(名前が「イカ」なのは何かの冗談かと)なので紹介は控えてましたが、こちらの情報ではなかなかすごいスペックのシーケンサーだとわかります。

シーケンスがDAWの一機能として当たり前となった今、絶滅したハードに目を付け、考えつくだけの多彩な機能を盛り込んで、唯一無比の製品を作り上げたことは特筆ものです。

こんな機器を独力で企画開発したのだとすると、現在のPioneer DJ=TORAIZは楽器メーカーとして、相当な発想力と開発力を備えているとも言えます。

一方、現時点ではAS-1の開発を最後に、旧DSIとは2年ほどパートナー関係に進展が見られないままです。
先方がSequential社となった時点で契約内容が変わった可能性はありますが。

海外の掲示板で指摘されているシンクの不具合や、発売直後からそのままのソフトウェアは、Sequential社の協力抜きには対処不可能なはずで、今後もこのまま放置されると考えていいでしょう。

この件については売却に関わらず、結果的には同じかと思うわけです。

あとはどんな経営体制になろうと、どの国のメーカーになろうとブランド名が変わろうと、これまでのノウハウが継承され、2年に一度くらい驚くような新製品さえ作ってくれれば、一介のシンセ好きとしてはまあいいか、と今はそんな心境でございます。

テルミン熱、再燃(自分が)

こんなブログを覗きに来るようなダメ紳士淑女の皆さまには説明不要かと存じますが、シンセサイザーの祖にあたるロシア生まれの「テルミン」という電子楽器があります。

存在そのものは、ザ・ビーチボーイズ最大のヒットソング"Good Vibrations"や、古今東西SF映画などでマニアには知られてましたが、日本で一般層に知られるようになったきっかけは、2001年公開のこの映画だと思います。

テルミン ディレクターズ・エディション [DVD]

テルミン ディレクターズ・エディション [DVD]

この公開前後、我が愛知県が誇る(当時在住)竹内正実さんを筆頭に、テルミニストなる演奏家にスポットが当たり、テレビ番組でもテルミン特集が組まれ、触れずに豊かな演奏ができる楽器という認知が広まりました。

http://www.maimode.co.jp/kouza/kigaku/teruminnshokyuu.html

都市部のカルチャーセンターにもテルミン講座が生まれたり、「俺は昔から知ってるぞ、吉田テルミン!ガッハッハ」なんてオヤジギャグが飛び交ったのもこの頃でした。

伝説の「イシバシテルミン」を持っていたワタクシ、当然のごとく件の映画も観に行き、さらにこんな小型テルミンを購入し、ささやかながらブームに貢献したクチです。


http://www.xecoo.co.jp/News/XMT2.htm

https://assets-atlasobscura-com.cdn.ampproject.org/i/s/assets.atlasobscura.com/article_images/49923/image.jpg
image:Atlas Obscura

テルミンは通常ピッチとボリューム、2本のアンテナを両手でコントロールして演奏する楽器です。

しかしxecoo製テルミンは音量制御に光センサーを採用しており、屋内ではうまく作動しないこともありました。

https://i.ebayimg.com/00/s/NzY4WDEwMjQ=/z/8HkAAOSwVZ1cavF6/$_86.JPG

2001年当時、本格的に演奏できる市販品は、8万円台で売られていたモーグのEtherwave以上の高価なものばかりでした。
[注]2019年現在、Etherwave Standardは5万円程度で買えます

そんなプチブームが一段落した2007年、学研が『大人の科学』としてテルミンminiを突如発売し、22万部超という記録的な大ヒットとなります。

翌2008年、学研がその勢いで世に送り出したのが「テルミンpremium」です。

2基のアンテナ搭載の本格派で1万円を切る安さ爆発ぶり。当然速攻で購入しました。

どことなく家電感の高いパッケージ。
若い女性への訴求なのか、『ウゴウゴルーガ』(フジテレビ)でおなじみの小出由華さんの姿が。

箱から出してアンテナを取り付けたところ。白い筐体がなんともポップ。

本体だけ見ると、家電感がさらに高まります。
「ひとり暮らしの女性にも優しいインターホン」みたいな。

ほぼ10年ぶりに弾いてみましたが、アース用のゴムバンドが劣化していた程度で、しっかり音も鳴りました。

ただ当時も同様ですが、低域のレンジが極端に狭く、演奏の難易度はそこそこ高いというのが実感。
ボリュームへの干渉を考えると、アンテナからの有効距離は15センチ程度なので、まともに使えるのは高域の2オクターブほどとなります。

とは言え電池駆動でスピーカー内蔵、外部出力端子もついて9千円前後という驚きの価格。
コストパフォーマンス的には2019年現在でも充分素晴らしいと思います。

10年前にはなかったmini Kaoss Pad2Sを接続し、エフェクトをかけてみた図。
これがまたベストマッチングで、とんだ時間泥棒になりました。

ところで、どうして今さらこのテルミンを引っ張り出してきたのかというと、ある家庭の事情で僕がテルミンを弾ける、なんて話が出て、近日中に人前で披露するハメになってしまったからであります。

その機会がボーナス日を跨ぐようなら、いっそのことこっちを買ってもいいかなと思ってます。
VA音源ですけどね。

テルミン博士の姪っ子であらせられるリディア・カヴィナ女史が、表情豊かにノリノリで演奏してます。
これ見てたら原理主義も一掃されること請け合い。

そういやテルミン、今年から来年にかけて開発100周年じゃなかったかな。

僕も50代に突入したんで、老後に備えて打チコミスト兼テルミニストの道へ歩み出そうと画策してます。