sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

ポチったよPLUG-OUT版PROMARS

いやもぉ、タイトルのまんまで。
やっぱり実機のことを調べれば調べるほど、"PROMARS"に興味がわいてしまい、とうとうRoland様の術中に嵌ってさあ大変、という次第です。

なにしろ30数年に渡り記憶から消滅していた機種ゆえ、アナログマシン百戦錬磨の諸先輩から見れば周回遅れにも程がありますが、お子さまの春休み自由研究と思って生温かく読み進めていただければ幸いです。

さて。
PROMARSに強い関心を抱いたのも、大名跡となったJUPITER-4の存在あってこそ。
アルペジエイターとボイスアサイン関連セクションを除けばJUPITER-4とほぼ同一のパラメータ群で、まさに「兄弟機」という表現が当てはまります。

f:id:pyu-ta:20150322194718j:plain

上がPROMARS、下がJUPITER-4ですけど(ともにメーカー取扱説明書から)VCOセクションの名称以外、何も変わらないという衝撃。

"COMPUPHONIC SYNTHESIZER"なるネーミングを与えられたのも世界でこの2台だけですし、マテリアルそのまんま感の強い同社製品において家具調を誇る筐体もこの2台だけであります。
ここで引き合いに出すのもナニですが、KORG MS-20とMS-10、あるいはYAMAHA DX7とDX9の関係以上に、DNAが近いように思います。

前回も書きましたが、この2台にしかない謎のセクション"DELAY/BEND"、よくよく考えればLFOの周期を超高速にできるということは、原理的にリング・モジュレーターと同じなんですね。
これがLFOに影響を及ぼすということは、VCO、VCFのみならずPWMにもかけられるため、ますますよくわからない音色変化を楽しめるわけです(本機のVCAにはモジュレーターがない)。
さらにDELAYとの併用により、時間軸(実機では最大10秒)で変調できることから、ベクトルシンセシスのような効果も得られるんですな。

PLUG-OUT版にはLFOのWAVEFORMに"RANDOM"が追加されており、プリセット・パッチには上記の効果を駆使した「The Synthesizer(昭和)」と称讃すべき深みのあるスペーシーなSEが多数収められています。
またPLUG-OUT版の追加機能にはリバーブとディレイ(一説にはあのSPACE ECHOを模したとか)もあり、SE系サウンドとの相性が恐ろしく良いです。

f:id:pyu-ta:20150322195627j:plain

JUPITER-4には後年のRoland製ポリシンセで定番となるコーラスエフェクトが搭載されましたが、PROMARS実機には何のエフェクトもありませんでした。
JUPITERの販売価格はPROMARSのほぼ倍額でしたが、最大発音数やアルペジエイター、エフェクトの有無は価格以上の格差があったように思います。

PROMARSにもせめてアルペジエイターが付いていれば、後の評価も変わっていたかもしれません。
言い換えれば、PLUG-OUT版への移植によってようやくバリューが発揮されるのかな、という印象です。

で、ポチした結果、僕のSYSTEM-1には現在PROMARS様が鎮座ましましてるわけですけど、次のPLUG-OUTシンセを妄想するにJUPITER-4の線は消えたかな、と思い始めております。

SYSTEM-1の同時発音数が4と知った時、すかさずJUPITER-4の復刻がよぎったんですが、構成の似たPROMARSが先に出たということは、ポリフォニック化のために必要なマシンパワーに問題でもあるんじゃなかろうかと。

いや、もしかするとここで、つまりはJUPITERの前にリリースしなければ、PROMARSは永遠に闇に葬られてしまうという危機感があったのか…
ま、しばらくお楽しみにしておきましょう。