sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

volca fm買ってみた。

あれから3ヶ月。発売からまもなく1ヶ月。

前評判の良かったvolca fm、ネット界隈では「5月入荷」などと悩ましいハナシもちらほら。
そんなわけで「触れりゃラッキーかな」程度のライトな気分で名古屋市内の某店へ行ったら買えました。いやホントにあっさり。
入荷待ちの皆さん申し訳なし。

ネット画像ではvolca beatsと同じブラックに見えたパネルですが、明るいところで見るとしっかり濃厚なブラウンでした。

肝心の音ですが、これはもぉ、竹を割ったようなFMです。
井之頭五郎なら「このわざとらしいほどのFM味!」とつぶやくほどに。
あのFM特有の「ギョイーン」がこんな小さなハコから出てくるんだ、と妙な感慨に耽ります。

内蔵スピーカーだけではナニなので、とりあえずiPhone付属のイヤホンで聴いてみましたが、音質はvolca keysなどのアナログモデルと比べてもクリアで抜けも良く、インタフェース経由でDAWに取り込んでもそのまま使えると思います。

6オペだと4オペに比べモジュレータとキャリアの関係が複雑になる分、突拍子もない音が生まれやすくなります。
それはこのvolca fmのALGRTM(アルゴリズム)ノブを回してみるとよくわかります。
これをジワジワと切り替えて音色を変えるもよし、一気に回して得体の知れないノイズに仕立てるもよし、これだけで1時間くらいは楽しめます。

付属のパラメータ・リスト。これだけでもFM感満点。

EDITモードではほとんどのパラメータを弄れますが、ここはかつてのデジタルシンセ同様ひとつひとつを呼び出して値を変えるタイプ。
全部ツマミにするとこうなっちゃうんですよね。

ちなみにこれはDTRONICSのDT7でございます。

まあ、この値段でDX7と同じことが出来る、ということだけでよしとしましょう。
そもそもノブだろうとタッチパネルだろうと、狙った音作りができないのはFM音源の宿命なんで。

それと界隈で不満の高い3音ポリ仕様、確かに楽曲制作ではデメリットですが、このハコだけで遊ぶのなら、むしろ4音押さえるのは無駄に大変です。
ここは逆に開き直って、ボイスモードを"UNISON"で鳴らすべし。その太さに驚きます。
特にベースサウンドでの効果は絶大で、"POLY"へ戻した際ちょっとした寂しさを覚えるのでお試しを。

volcaシリーズの特徴と言えば、どう鳴らして遊ぶかに力点が置かれている点。
この点でも、volca fmは集大成となっております。

新機能の目玉とも言えるのがアルペジエーター
Rise/Fall/Randomが3タイプずつ、計9タイプが用意されてますが、ここではタイプはどうあれDIYノブを弄った方が楽しく遊べます。

またWARP ACTIVE STEPは、beatsやsampleなどで組んだリズムとシンクロさせると効果がわかります。
昔のテープループを思わせるような機能です。

ツマミやスライダーの動きを記憶できるモーション・シーケンスは、アナログ3部作から搭載されていますが、volca fmではアルペジエーターの動きまで記憶できるため、16ステップというスペック以上の音数を詰め込むことが可能です。

シーケンスをセーブする際、その時鳴らしていた音色ごと記憶してくれるのは便利。
新機能PATTERN CHAINは2または4小節単位のベースラインを組む時便利なんですが、音色の違うパターン同士でチェーンさせるのも一興。
偶発性を重視した操作性の良さと言うのか、ミスタッチでも何か生まれてしまうところは相変わらずです。

アナログ音源、サンプラー(PCM)、FM音源とくると、果たして次のvolcaがネタにできる音源はあるのか気になりますが、しばらくはfmで遊び倒したいと思います。