そう言えばSH-101(12/22追記あり)
未だにAIRA SYSTEM-1からSH-101 PLUG-OUTが使えず、担当ディレクターから「価格の半分、損してませんか」と突っ込まれる日々ではございますが、前に書いたように、内蔵シンセの出来そのものに大変満足してますのでご心配なさらずとも、ええまぁ、という感じです。
ところで、僕が今から32年前に買ってもらったシンセが、まさにそのRoland SH-101(色はグレー)でして、このブログのタイトルの由来でもあるんで。
SH-101を選んだのは、お金を貯めてYAMAHA CS01を買おうと楽器店に行ったら、同行した母が「後悔しないように」とお金を2万円ほど上乗せしてくれた、という背景がありました。
ここまで書くと、まるで思い入れトゥーマッチ感を醸すのですが、実はあまりサウンドの特徴を覚えてないという、まぁひと昔前ならカッコ爆カッコ閉じ、で〆る話でございまして。
ご存知の方も多いでしょうが、SH-101は2000年代まで、国内大手メーカー品としては最後のモノフォニックシンセでした。
僕が所有していたのは高校一年生の夏('85)までの2年半で、その間DX7やらJUNO106やらPOLY800やらと、各メーカーからポリフォニックシンセが続々と発売され、またそれらを友人が次々と入手していたわけですチキショー。
さらに、いま挙げたシンセには全てMIDIが搭載されていました。
つまり当時の感覚として、SH-101は強烈なまでに乗り遅れ感を抱くマシンだったわけですね。
これはもう覆しようのない話でして、そうしたネガティブ感が払拭できず、そして手放して29年も経ってる上、まともなPAシステムで鳴らした経験もないのですね。音の良し悪しが印象に残っていないというのは、そういう事情です。
あまりにも寂しいので、記憶の隅を掘り起こしてみたんですが、当時の書籍で「安い」「軽い」「カラーバリエーションが豊富」以外のセールスポイントは見受けられなかった気も。
昨今のように、サウンドにフォーカスして名機と持ち上げられることがなかったのは断言できます。
これ、結構大事なハナシのように思うんですが、当時のアナログシンセの遊び方は、サウンドチャートに代表されるように「○○な音」「○○の音」をセッティングして鳴らすのが王道でした。
その意味で、90年代以降のアナログマシン再評価というのは、当時所有していた人たちにとって相当に目からウロコだったわけです。
今後ビンテージ物を買おうと思っている方は、かつて所有していた人のコメントはアテにしない方が良いと、謹んで進言させていただきます。
実は昨年、SH-101とは担当番組のディレクターが中古を入手したおかげで再会しておりまして。
「うわぁー、懐かしいなぁ」と弄らせてもらったら記憶よりクリアな音がしてました。
ただ、いま欲しいかと言われたら「それほどでも…」な感じです。
(2014/12/22追記)
プラグアウト後の印象はこの時とまるで変わっております。本稿と合わせて下記エントリをお読みいただけると幸いです。