sh101's blog

シンセとラジオの40数年。

volca sample、これは斬新!

機材遊びに割ける時間がなかなかとれず、久々の更新となりました。

 
先々月の話ですが、KORG volcaシリーズの最新作としてvolca sampleが発売されました。
 
秋に発表されたKORGの新機種は、KaossPadといいelectribeといい、サンプラー機能を売りにしたものが多く、技術的に共通して使えるものが開発されたのか、同社がアナログシンセに次ぐ新たなトレンドとしてサンプラーに着目してるのか、興味を惹かれるところです。
今回は、イベント仕事のポン出し機としても使えるかなと思い、早速買ってみました。
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◾︎volca sample - KORG
 
価格は、昨夏発売された"beats"や"bass"、そして"keys"同様1万5千円前後。
 
そもそもこのシリーズ、"beats"はRoland TR-808、"bass"は同社TB-303と同じカラーリングでして、オマージュもしくはパロディー的センスを感じたんですが、今回の"sample"に至っては、80〜90年代産サンプラーの覇者、AKAIのアレと全く同じでありながら、アナログUIに寄ったことで、まるで新しい楽器になってしまった感もあります。

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ちなみにサンプラーとしてのスペックは16bit/32kHz、トータル60秒モノラルとさほど高品質ではありませんが、アナログ・アイソレーター(高域、低域の補正)を使うことで、ローファイながらも音圧は充分得られます。
内蔵エフェクトにはリバーブが搭載されており、パートごとのon/off可能、ミックスもツマミで調整可能です。
これだけで、僕らのような第1次サンプリング世代は胸アツだから仕方ありません。
 
先ほどポン出し機としての使用目的で、と書いたんですが、とりあえずジングルやSEを10個使う程度でしたので、音質はさておき便利に使えました。
 
注意すべきは、音の取り込みにはiOSアプリAudioPocketが必要な点。
また手持ちのサンプルは、いったんiTunesを介してのインポートとなります。
とは言え、ファクトリープリセットが100音入っており、また後述のように音作りの幅が尋常じゃないこともあり、本体だけでも充分遊べます。

サンプラーということでシリーズ初のデジタル機器になるわけですが、音作りは他のシリーズ同様、すべてツマミ。考えてみると、これは凄いことで。
 
サンプリングという技術が音楽に用いられ始めた80年代初頭から、サンプラーはボタン型のUIが基本でした。
 
もともと集積回路を使ったものですし、コントローラーを別回路にするより都合がよかったんでしょう。
またサンプラーの進化は、シンセサイザーがデシタル化していく時期と被っており、当時メーカー側にツマミはダサいもの、という共通認識があったのかもしれませんし、そもそもサンプラーに、リアルタイム操作は想定されてなかったと思います。
volca sampleもシリーズではなく単体で開発されていたら、まったく別のUIになったかもしれません。
 
サンプルを鳴らしながら、アナログシンセ感覚でピッチやEG、フィルターやループポイントなど11のパラメーターをツマミで弄れる、というのはおそらく世界初じゃないかと思います。
 
しかもツマミの動きをモーション・シーケンスとして記憶できるのも特筆もの。
ステレオサンプルであっても取り込むとモノになってしまう仕様ですが、PANの動作も記憶できるので、凝った音場作りも楽しめます。
 
気になったのは"volca"のロゴが丸みを帯びた字体に変わっていること。
ひょっとしたら、この後も新商品が出るのでは、と期待してしまいます。
 
DTMの世界が飽和状態にある中で、こうしたハード戦略にかけるメーカーは世界でも稀有な存在ですので、今後も応援していきたいと思います。