sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

シンセのエフェクトにFMラジオが役立つ話。

KORG monologueには、エフェクトがない。
まあ正確にはDriveがあるのだけど、ディレイやコーラスというTheが付くような類のものはない。
悲しいけど、これは事実だ。

前年にminilogueが発売された折、開発者の高橋達也さんはディレイについて「自分がシンセを使うときに必ず欲しくなる」と発言されたのに、monologueには搭載されていない。
無念だが、受け止めるほかない。

普段部屋にいる時はベリンガーのQX1202USBに突っ込んで内蔵エフェクトをかけてるんだけど、AC稼働のために寝転がって鳴らすにはちょっと不便だ。

そんなわけでちっちゃいエフェクターが欲しくなり、近所のHARD OFFを覗いてみた。

3万円台で売られていたKORG MS-20Roland SH-9を横目に、mini kaoss padあたりでもあればなぁと物色していたら、こんなものが売られていたのだ。

KORGのTONEWORKS”PANDORA”ことPX2Tである。
取説など付属品はなく、裸のまま3千円台で絶賛販売中だった。
ずいぶん昔に雑誌で見たなぁ、くらいの印象しかなかったが、iPhone6とか7とか8とか、あのサイズでそこそこ小さい。

どうやらギタリスト用のマルチエフェクターのようだ。ということはディレイくらい付いてるだろう、クオリティは不問だし、と即決でレジへ。

購入してすぐにリアパネルのフタを開けてみたら単三2本で動くようだ。
しかし取説もないので、どんなエフェクトが入っているのかもわからない。

そこで検索してみたら、KORGの公式サイトで取説PDFを発見。最後のページ下段を見て1997年製であるのを確認。おっと、20年も前の製品かぁ。

そして最初のページから見直したら、下記のエフェクトが搭載されていた。

当時のマルチエフェクターとして不可欠なものはほぼカバーされているようだ。
この他にギター用らしくチューニング機能や、33種のリズム&メトロノーム機能があるのだけど、予想もしていない機能が搭載されていた。

それはFMステレオトランスミッター

その名を聞くのは、ほぼ10年ぶりだろうか。
iPodの楽曲をカーステで鳴らす時に使ったアレだ。

それならと、早速説明書通りにPANDORAをmonologueと繋ぎ、FMトランスミッターをOnに。
たまたまPANDORAと同じサイズの2スピーカーFMラジオがあったので、近くに置いて周波数を合わせてみた。

おおおおおおおおおっ!鳴った鳴った!!

アナログのFMラジオゆえノイズはどうしようもないけど、なんとも懐かしい、味のあるサウンドでmonologueが鳴ってくれた。

ちなみに同じヘッドフォンをPANDORA、FMラジオそれぞれに刺してみたけども、FMステレオ特有のじわっと滲むような音像、そしてナチュラルなコンプが実に強烈。
FMラジオ自体が、立派にエフェクターと化している!

昨今は96kHzも当たり前のDAWの音世界で、何か強烈な存在感が欲しいという時は戦力になりそうだ。


動画も撮りました。音をラインで録っておけばよかったかな…

それにしても。
FMトランスミッター付きエフェクター、エレキ界隈ではメジャーなものなのだろうか?

検索したところ、少なくともKORG製品ではこのPANDORA(PX1T/PX2T/PX3T)しか見当たらず、他に海外製品がわずかに発見できた程度。
ちなみにPANDORAの現行商品はこちら。

残念ながら、4代目にあたるPX4で赤外線トランスミッターに代わり、さらにPX5DではUSB接続となってワイヤレス接続はなくなった模様。現行商品に至っては、LINE OUTのみになってしまわれた。

しかし、我が商売道具であるラジオ受信機が、斯様な形でシンセに繋がるとは思いも寄らなかった。いや、知恵が回らなかったというべきか。

なんと言っても全てが電池稼働のこのセット、ケーブルはmonologueとPANDORAを繋ぐ1本あればいいので、このままどこへでも持ち運べるのがいい。
需要がどこまであるかは知らないけれども。

手前味噌だけど、日本のAMラジオ局も続々とワイドFM化している今日この頃。
受信機を持ってる方で電気or電子楽器を趣味としてる方は、今すぐPANDORA探しをお勧めします。

いやホント、これマジで楽しいわ。