キーマガのYMO機材特集がすごい。
軽く立ち読みするつもりが「やばい、これは完全保存版だわ」と、レジへ向かうワタクシ。
今月発売のKeyboard magazine(2019冬号)の話です。
先日もリマスタリング・ベスト盤『NEUE TANZ』の話題をしましたけど、今年は(今日で終わるけどさ)YMO結成40周年なのです。
そこで前号(2018秋号)に続きYMO特集が組まれたわけですが、今回はこんな駄目ブログを読まれるような方には感涙必至の機材徹底検証です。
YMOの使用機材については、これまでも『大人の科学マガジン シンセクロニクル』などで部分的に触れられていましたが、今回のキーマガさんからは、バラエティ番組に娘と出演するアニマル浜口さんのごとき気合いが、ひしひしと伝わってまいります。
なんと65ページもの大ボリュームで、YMOチルドレン御一行様には垂涎モノです。
まず機材の変遷が、結成から93年の再結成までアルバム、ライブごとに記され、各機材の紹介。どの曲のどのパートに使用されていたかまでフォローされています。
続いては案の定松武秀樹さんのインタビュー。ここでは、「なぜモーグのシンセは太いと言われるのか」という永遠の謎に対する氏の分析が必見。
そして驚くべきは、YMOの仕掛け人・元アルファレコード社長にして名コンポーザー村井邦彦さんへのロングインタビュー。これ、キーマガですよ。レココレじゃありませんよ。
アルファが誇る当時最新鋭のスタジオA、はたまたアメリカの名門レーベルA&Mを巻き込んでのYMO戦略の秘密や、最近「ライディーン」を真剣に聴いてみたという、ざっくばらんなお人柄も見えてくる良き取材。
さらに『BGM』以降に本格的なキャリアをスタートさせた飯尾芳史さん、藤井丈司さんの元テッキーズによるインタビューは、克明なサウンドメイク術のみならず、若手ゆえの新鮮な日々が滲みわたる素晴らしい内容です。
藤井さんが初春に出版されるという『YMOのONGAKU』(仮)なる著書も楽しみです。
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ちなみに、後半の12ページは、過去のキーマガからYMO関連の3記事が再掲されております。
当時の記憶では、ブームが落ち着いてからの『テクノデリック』『浮気なぼくら』について、そのレコーディングを追った資料が少ない印象もあり、個人的には楽しめました。
文体やレイアウトなどに「80年代ってこうだったよね(白目)感」も漂いますけども、それもまあ良しかと。
しかし、今回の特集で何より感心したのは、この特集のほぼ全編で執筆・構成された布施雄一郎さんの力量です。
シンセをはじめとする電子楽器や録音機材に対する知識も深く、すれっからしの好事家も納得の内容だと思います。
前回の特集と合わせて単行本出してもいいんじゃないですかね。
Keyboard magazine (キーボード マガジン) 2018年10月号 AUTUMN (CD付) [雑誌]
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Keyboard magazine (キーボード マガジン) 2019年1月号 WINTER (CD付) [雑誌]
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ちなみに付属CDには、読者からのYMOオマージュな楽曲を収録。「ファンがYMOを目指すとOMYになる」という定理が脳裏をよぎりつつも、なかなか楽しめました。
ちょうどTORAIZ AS-1でProphetサウンドの再現に興じているタイミングだったこともあり、ややテンション高めでご紹介しました。