sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

案の定、THEREMINIを入手。

以前、何年かおきにやって来るテルミン熱の話題を書きましたが、やはりというか、どうせというか、ほれ見てみぃと言われるのも承知の上で、moogのTHEREMINIを購入したでござる。

http://www.korg-kid.com/moog/wp-content/uploads/2016/09/1-22.jpg

Theremini – moog

現在流通しているテルミンは種類もさほど多くなく、ピッチ用とボリューム用アンテナを持つ演奏用に適したものではmoogEtherwave StandardEtherwave Plus、学研のテルミンPremium、そしてこのTHEREMINIの4択になると思われます。

いきなりBig Briar(現在のMoog Musicの前身)のModel 91Aの出物を狙う野心家さんの場合は別ですが。

THEREMINIは、Animoog由来のDSP音源、スピーカーとディレイを搭載し、スケールによって外しようのない演奏が可能な上に、MIDIやCVコントロールまでできるという、正に「悪魔の楽器」。

誕生からおよそ100年経ってようやく実現したDSP音源。おそらくmoogだからこそなし得た(原理主義者も黙認した)進化だと思います。

多機能ながら4万円前後で、テルミンPremiumのすぐ上の価格帯となるわけですが、考えてみればmoog製ハードにしては破格の安さです。

発売からすでに5年ですが、なぜか縁がなかったんだよねぇ。

流石に発売から日が経ちすぎたせいか、ネット通販には苦労して、3軒目でようやく新品をゲット。
つか、新商品でもないのに入荷未定のものを掲載すんなよなぁ、某店と某店は。

諸事情で職場に配達してもらったので、スタジオにて開封の儀なぞ。

そうそう。ハードウェアとしてはマイ・ファースト・モーグなんですな、これが。
だからパッケージが新鮮でした。

箱を開けてまず目に飛び込むのは「Mooooooog」の文字。おっと"o"が多すぎた。

裏は英文のクイックスタートになっております。
箱の中には本体の他、英語版マニュアルと日本語版、レジスターせい、ファームアップせいと促すメモ、そして保証書、電源系が入っております。

スタジオに譜面台しかなかったので、やむなく乗せてみたわけですけど、ホントは本体の下に金属があっちゃイカンのですよ。
干渉しまくりですから、御法度中の御法度。

まあこんな状況でもキャリブレーションすれば、THEREMINIも「そういうもんか」と納得してくれるようで、それなりにアンテナは機能してくれるんだけどね。

そういう事情でボリュームアンテナの効きには目を瞑り、まずはピッチを探ってみます。

やはり譜面台の影響なのか、安定してるのか不安定なのかよくわからない。ということは不安定なのか。

とは言え、ものの1、2分でクローズポジションからの運指もこなせ、定番の「星に願いを」はなんとか弾ける程度に。
スピーカーとディレイがあるのは最高だなオイ。

普段シンセを扱っていれば、モニターもエフェクターも常備してると思いますが、初めての楽器がテルミンともなると、Etherwaveだったらスタンドにアンプにエフェクトでざっと10万超えでハードル上がっちゃいますから、なにしろ。

しかもありがたいことにヘッドフォンジャックも完備。深夜のレッスンもこれで安心。

フロントの液晶では現在鳴っている音階と、ピッチが正しいかを確認できます。
曲の出だしをキッチリ決めたい時は、ボリュームをオフにした状態で右手をスタンバイしておけばいいわけです。

便利な機能とは思う反面、結構チラチラと視界に入ってきちゃうので、演奏に集中できない人もいるのではないかと。

さて、THEREMINIの魅力のひとつはAnimoogエンジンによる多彩な音源。オリジナルのテルミン波形を含め32音がプリセットされています。

中には本家Animoog同様、時間軸のモジュレーションが入ったものもあり、ディレイの効果と相まって、あのスペーシーなサウンドが楽しめます。

なお単体ではプリセット音をエディットできません。
その代わり、moogではipad/Mac/Win用のエディターを無料配布しています。

ちなみに製品ページではiPadアプリしか見当たりませんが、ユーザー登録すると、メールでMac/Win用アプリのダウンロードURLが送られてきます。
だから「レジストせい」というお知らせは大事です。

https://is2-ssl.mzstatic.com/image/thumb/Purple3/v4/75/8c/73/758c73b9-fb48-6358-ba28-91af6e5d605e/mzl.ocjiierp.PNG/643x0w.jpg

画面はiPad用のもの。PC用もほぼ同じです。
パラメータはアンテナに紐付いた変調もありますが、基本的には減算方式のアナログシンセに馴染みのある人にも扱いやすいもの。
USB接続されたTHEREMINIの発音にもすぐ反映してくれます。

ただ、もうひとつの売りであるスケールですが、通常のテルミンの演奏に慣れてしまうと、どうもしっくり来ないということは書いておきます。

初めてテルミンに触れる人にはいいんでしょうが、ある程度かじってしまうと、結局ピッチの変化幅を通常のテルミンに修正してしまうかと。

そうそう、ファームウェアのアップデート確認は必須(2019年6月時点で1.1.1)。
アンテナからのビッチ幅が改善され、ノブの挙動がオリジナル・テルミンに近くなるTHEREMIN MODEが追加されます。

とりあえず今日はこんなところで。
自宅に帰って頑張って弾きこなしてみよう。