sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

THEREMINI テルミン・モード備忘録

当ブログからまったくシンセ系の話題が出なくなってお嘆きの貴兄に追い討ちをかけるように、またもmoogのTHEREMINIについてエントリーを投下する不幸をお許しください。

ぶっちゃけ、和洋問わずシンセ関連のサイトやツイッターアカウントは毎日チェックしてるんですけど、ネタにしたくなるような機種がないんですよ。
ま、その手のアレがナニな皆さんはしばしお待ちを。


実はわかってなかったテルミン・モード

さてTHEREMINIを購入して、その日のうちにファームウェアをアップデートしたのはいいんだけど、途中から追加された機能「テルミン・モード」については、いろいろ苦労させられた次第。

試した当初は「お、テルミンみたいじゃないか」と思ったわけですが、後日いじってみたら、アンテナのレンジがどんどん狭くなったり、ピッチの調整が効かなかったりと、改めてイチからキャリブレーションする羽目になったわけで。

そもそもこのモードは、日本語版どころか本国のマニュアル(PDF)にも未だ掲載されておらず、何をどう操作すべきかよくわかりません。

最新アップデートすら、もう4年近く前のことなので、動作が理解できずTHEREMINIがインテリア化してしまった方に、ささやかながら研究結果をお伝えできればという所存でございます。

テルミン・モードでできること

そもそもテルミン・モードとはなんぞや、というハナシですが、これまでEtherwaveなど従来のテルミンに慣れた人向けの機能です。

ノーマル状態のTHEREMINIでは、SETUPメニューで音程のレンジ(最低音と最高音)を設定できるんですが、困ったことにキャリブレーションで最低音・最高音の鳴るアンテナからの位置も別で設定しなければいけません。

「困ったことに」と書いたのは、この設定が別々になっているからです。

例えば重要な曲アタマのポジションが思ったところに来なかったり、鳴らしてみると指を伸ばしても変化幅が1オクターブ行かなかったりした場合、いちいちレンジをボタンをポチりながら微調整しないといけなかったのです。
これが従来のテルミン愛好家から「もぉ!設定が超メンドーぷんすか」と罵倒される原因でもありました。

このテルミン・モードでは、数はEtherwaveと同じなれど、まるで役割の違うノブのうち2つで、ピッチとボリュームの微調整ができるなど、使い勝手が格段に向上する機能が使用できます。

  • PITCH CORRECTIONノブの機能がピッチアンテナの調整に変わる。ゼロポイントを作るアレ、と言えばわかるでしょうか。
  • AMOUNTノブの機能がボリュームアンテナの調整に変わる。
  • SCALEボタンを押すと、ピッチの変化幅をオクターブ単位(1-7Oct.)で可変できる。
  • ROOTボタンを押すと、オシレーターのピッチを前後1オクターブ可変できる。

正しくキャリブレーションが行われていれば、ノブひとつでピッチ幅を調整できる、これは大きな改良です。

ちなみに最後のオクターブ可変機能は、Etherwave Proにしか搭載されていないもので、低音パートと高音パートの切り替えに超便利なんですが、ピッチ幅が大きく変わる場合があるのでご注意を。

まずはモードを設定

テルミン・モードはSETUPボタンを複数回押してADVANCED SETUPメニューを出し、EFFECTボタンでエディットに入ります。

上から3番目にTheremin Modeとあるので、ここをONにします。
エディットメニューから出たら、この画面になると思います。

通常の画面と何ら変わりません。
またこの状態でPITCH CORRECTIONノブを回しても、ピッチシフトが変わるだけ。
AMOUNTノブもディレイのミックスが変わるだけの平常運転です。

ここでSETUPボタンを押すと…

画面に(Pitch Volume)の表示が出ます。
これでテルミン・モードに入りました。
前述した4つの機能が、これで使えるようになります。

モード突入時の注意など

また、このモードで弾いていて「ディレイ増やしたい」「ピッチシフト入れたい」という時は、再度SETUPボタンを押せば通常モードに戻ります。
これがボクチンはわからなかったところ。混乱させられましたよワッハッハ。

テルミン・モードでのピッチ調整は、もともと設定してあるピッチレンジを変える役割がありますが、従来のテルミン同様、ゼロポイントからの反転(アンテナに近づくほどピッチが低くなる)現象が起こりますので、設定には要注意。

一方AMOUNTノブによるボリュームアンテナの調整は、左端のVOLUMEノブと合わせて行うことになると思いますが、THEREMINIはもともと変化幅が狭いので、正直微妙な感じです。
キャリブレーション時のボリュームアンテナ調整も見直した方が効果が上がるかもしれません。

ちなみにテルミン・モードONの時は、SETUPでの設定やキャリブレーションの入り方が変わります。
SETUPボタンを長押しすると、このような画面になります。

SETUPボタンとSCALEボタン、またはROOTボタンの同時押しで希望の機能に入れるのでご安心を。

とにかく使うと便利な機能ですが、SETUPボタンで通常モードと切り替わるというのがわからないと「何にも変わってないですやん」とぷんすか増大です。
使用上の注意をお読みの上、正しくご活用くださいませ。