sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

物欲-2019冬-

さてさて、楽器系カテゴリーでは久々の投稿になってしまいました。
近況としては、大学の講義でTHEREMINI弾いたりとか、そこそこ満喫していたんですけども。

この間、いろんな製品情報が出るたびにこの駄文ブログにはアクセスが急増し、そして「今回もこいつはスルーか」と失望させ、波が徐々に小さくなっていく、そんな近況でございました。
もう誰も見てないだろうけどさ。

「ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々」なんてサブタイトルを付けている拙ブログですが、思えばコレがガンだったのか、と初めて痛感したこの秋。
つまりは、いちいち追っかけてられないほど、このサブタイに適したガジェットなりアプリが多発したわけです。

まず9月にRolandから衝撃的なニュースが飛び込んでまいりました。

これまでAIRAを筆頭に単体ハードを量産し、好事家ターゲットなのかDJ御用達なのか、よくわからないラインナップを展開していたRoland

しかしようやくここへ来て、それらの集大成的なグルーヴボックスを発売しました。

そう、グルーヴボックスなんですよ結局のところ。

この数年の紆余曲折は、ここへ至るまでの実験だったわけですね。
わざわざ過去の名機群をVAで出してアナログ原理主義者のこめかみをピクピクさせていたのも、極小スライダーやナノクラスのノブで中高年クラスタの指先を震わせたBoutiqueシリーズを展開してきたのも、この新商品への踏み台に過ぎなかったのです。

グルーヴボックスであればアナログだのバーチャルだのクソ喰らえ。Rolandが出戻っても盛大に歓迎される第二の故郷なのです。
これはもう凱旋だパレードだ、ビバAIRA

MC-707という上位機種も同時発売ですが値段が倍。論外。
そんな事情から、このブログ的にはMC-101の方を推す他ありますまい。

4トラックながら3,000を超える音源を揃え、さらにSDカード経由で手持ちのWAVファイルをインポートでき、マルチエフェクト各種がトラックごとに装備された上、マスターにはコンプもEQも付いて、税抜き5万円切っちゃうのです。

何よりも「単三電池4本で稼動」というところが、実にわかってらっしゃる。
デジタルはカシオ、電池駆動はKORG、という日本古来のキャッチフレーズが、本機の登場により一新される勢いです。

厚みはMC-707と同じですが、縦横がおよそ半分になっているせいで、ほんのりKORG monotribeを思わせる弁当箱風情。

ふと目を閉じれば、公園のベンチに腰掛けた井之頭五郎さんが「こういうのでいいんだよ」と言いながらパッドを叩く姿が浮かんでくるじゃありませんか皆さん。

そして各トラックに付いたフェーダー。ミュートボタンなんて野暮なものはついておりません。光の速さでオンオフするプレイの所作がもう漢らしい。

膨大な音源も階層を掘れば、フィルターやエンベロープなど、ベーシックな音いじりも可能です(モジュレーション系はビブラートのみですが)。

"ZEN-Core"なるネーミングの音源部には、なんとTR-808TR-909TB-303、JUNO-106、SH-101のサウンドが網羅されているというじゃありませんか。
これはまごうことなきAIRAの魂を受け継ぐ勇者です。

正直に言えば、SH-2やPROMARSあたりも欲しいところではありますが、改めてAIRA初期メンバーが並ぶ様は壮観であります。

ハッキリとは銘打たれていませんが、おそらくBoutique以降サンプルレートを44.1kHzとしたACB音源とPCM音源とを、同じパラメータで変化できるようにしたのがZEN-Coreなのかな、と邪推します。

http://www.vintagesynth.com/sites/default/files/2017-05/roland_mc303.jpg

グルーヴボックスと言えば忘れちゃいけないのが、1996年発売のご先祖MC-303。
こちらはPCMで448波形でしたが、これとAKAIのS2800だけでCDアルバム1枚作ってしまうほど、アドレナリンをドバドバ分泌させられた名器であります。

そう考えるとMC-101の3,000超というトーン数は大容量時代の恩恵です。
そしてMC-707と比べトラック数とクリップ数が半分ながら、音源的にはまるで同じというところが素晴らしいと思います。

DX7に手が届かず泣く泣く買ったDX9が、蓋を開けたら4オペレーター/8アルゴリズムでさらに号泣したという先達の残留思念も、ここへ来てようやく浮かばれるのではないでしょうか。

さてその直後、Rolandさんはこんな爆弾も落としてきました。

KORGの独壇場だったiOSアプリ界に降臨されたのです。
奇しくもなのか意図的なのか、こちらのアプリ名にも"ZEN"の3文字。何かの略なのか、ジャパンのメーカーだから「禅」なのかよくわかりませんが。

そしてこちらにもTR系のサウンドが含まれておりまして、数日前のMC-101/707爆弾に脳がやられていた人々は、ついつい「これでMC-707体験できるんじゃね?」とインストールしたことでしょう。
そしてアンロックにすべく課金してしまったのではないでしょうか。ワタクシもやっちゃいました。

しかし、見やすいUIの反面、アイコンの意味がよくわからない。一回入力していたフレーズが止まり、もう一度再生してみたら消えていた、なんて困ったことが続いておりました。
ツイッターで検索してみると、アラフィフを中心に悲嘆に暮れるご同輩が多発していた模様です。

こうした声に「やれやれジジィは」と思われてしまったのか、こちらをはじめ、マニュアルを書かれる親切なユーザーさんもおられ、最近ようやく慣れてきたところです。ありがたや。

まあ、この辺りのフラストレーションをハードにぶつけようかというこの頃であります。

他にも紹介したいハードもあったんですが、オッチャンゆえチカラ尽きました。今日はひとまずこんなところで。