今さらながらmonotribeを讃える
久しぶりにmonotribeを引っ張り出してmini kaoss pad 2Sを繋いで鳴らしていたら、思いの外没入してしまった。
とんでもない時間泥棒であった。迂闊だった…
最近volca mixを買って、配線まみれになっていた反動なのかもしれないが、単体の機器をひたすら弄り倒したのは、monologueを買った時以来だ。
以前も書いたと思うけど、monologueはminilogueではなく、monotribeの系譜にあたるシンセだと考えている。
それでいて、monotribeの方が優れていると感じる点はまだまだある。
超高速LFOの搭載、エンベロープの割り切り※など、monotribeの特徴を受け継ぎながら、音色ごとに記憶できるシーケンサーを搭載し、スリム鍵盤をインターフェースに採用したmonologue 。
対してmonotribeの最も目立つ欠点にして最大のメリットは、メロディが作りにくいということだ。
monotribeのリボンコントローラーとmonologueのスリム鍵盤、曲作りに適しているのはどう考えても後者だ。
しかしmonotribeを弄り倒した先にあるのは作曲ではなく、音を楽しむアートフォームしかあり得ない。
いや、こんな遠回しの言い方もアレだからぶっちゃけよう。
要するに、ずっと鳴らしていても飽きちゃうんで、ノブやスイッチを弄りまくって偶発的にカッコいいフレーズと出会うまで格闘しなければならない、という宿命こそが、monotribeの素敵なポイントなんですな。
対してmonologueのプリセットサウンドには格好のよろしいシーケンスがセットされている。だからしばらく鳴らしておいても飽きない。
だから、音作りのためにノブを回せなくなる。
これはもう、決定的な違いだ。
実は今月、こんな記事を読んだのだけど、Pioneer DJのシンセAS-1には、プリセットが495音あり、しかもそれぞれにシーケンスがセットされているそうな。
495もあれば、お気に入りのサウンドやシーケンスはいくつもあるはずで探し甲斐がある。プリセットを順に鳴らしてるだけでお腹いっぱいだろう。
これが、いままさに僕がmomologueに対して思っていることでもあり、もっと言えばvolca fmやSYSTEM-1についても同様に、音作りする前にある種の満足をしてしまうわけである。
monotribeに話を戻せば、音色についてはまったく記憶してくれないし、シーケンスも16ステップを1パターンしか保持できない。
ましてやインターフェースはリボンコントローラーである。メロディアスかつリズミカルなパターン作成には向いてない。
だからアクティブステップや、プレイしながらの抜き差し、あるいはリアルタイムに音階を適当に押さえて変えていく。いや、正解が見つからないから、とにかく指先を動かして変えざるを得ないのだ。
そこに生まれたフレーズやサウンドに一期一会の精神で向かい合う。これがmonotribe道なのだ。
もう6年も前だけど、こういうムービー見ちゃうと、やっぱりmonotribeにはこの遊び方しか見つからない、と思ってしまう。
あとは内臓された独特のリズムサウンドが、volca beatより断然好み、ということもあるんだけどね。
とにかく全てにおいて満足できる、というマシンはなかなか存在しないのだなぁと思う今日この頃であります。
※実際はminilogueをモノ化してコンパクトにするために削ったのだろうが、monotribeでの実績があったからこその割り切りだと思われる。