sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

TORAIZ AS-1の不思議なスラー

TORAIZ AS-1を購入して1ヶ月。
毎日のように鳴らしながら、本当に素晴らしいシンセだと感心しているんですが、未だに謎なのが、以前も触れたシーケンサーのスラー効果

今回は、どのくらい謎なのかをお知らせすべく、動画(静止画+音声)にして公開してみました。

その効果を簡単に把握いただけるよう、音色をノコギリ波・1オシレーターのみのイニシャルボイスにして、超簡単な2小節のフレーズを作りました。

では動画の流れに沿って、説明いたしましょう。

まずスラーなしのフレーズ。
AS-1のシーケンサーは、基本的にゲートタイムが75〜80%に設定されているのではないかと考えられます。
気になる方はHOLDボタンを押すことにより100%で再生可能です(休符も鳴りっぱなしになりますが)。

最初の音(C3)にのみスラーを設定しました。
再生すると、いきなり妙なところからポルタメントが降下してフレーズが始まります。
念のためスライドは切っていますし、再生の直前にC2を鳴らしましたが、シーケンスは直前のノートとは無関係に、上からフニャっと降りてくるところから始まります。

続いてフレーズの最高音にあたる8音目のC4のみにスラーを入れてみました。
通常ですと、C4の存在感を示しつつ次のC3へと降下していくものですが、この例では直前のB3からC4を経由せずに下がっているかのように聴こえます。

最後に、2小節目の最後のC4にのみスラーを設定しました。
この後1小節分の休符を打ち込んでいるんですが、あたかもA3から降りているように聴こえます。
先程の例以上に顕著な急降下ぶりは、株価で言うところの「乱高下」を可聴化したものと言えましょう。

AS-1はシンセの基礎体力とも言える波形の質感やフィルターの切れが素晴らしいため、存在感ありまくりのベースサウンドもお手の物です。

それゆえTB-303的にウニョらせたいとスラーを使ってフレーズを作ってみると、「あれ?」と戸惑うでしょう。
隣り合うひとつ上のノートへ移るのに、なぜかいったん下がって上昇するなどスリル満点で、いやホント、一筋縄ではイキません。

PCのMIDIシーケンサー風情なんぞでは味わえない、ワンアンドオンリーのアグレッシブなフレージングを楽しめます。

今回は作例にイニシャルボイスを使いましたが、PWMをかけまくったりエフェクトにBBD(ディレイ)を使ってみると、幻想的な音程変化に聴こえちゃうからなかなか面白いです。

なお同様に指摘していた、フィルターの自己発振音にスライドがかからない件は、Prophet-6譲りということが判明しました。お騒がせいたしました。

現場からは以上です。