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sh101's blog

シンセとラジオの40数年。

『シン・ゴジラ』長文レビュー。

映画 ラジオ

意味不明と言われても構わないんですが、僕は邦画特撮やVFXを駆使した一部の洋画が好きで、そこから得た何かを、一見何の関連もなさそうな自分の仕事に注入することがあります。

比較的わかりやすい例だと、自分がプロデュースしたCDの発売告知動画とか。

これはiPhone上で複数のアプリを使って作った動画ですけど「CD→円盤→インディペンデンスデイ→爆破→映像化」という連想だけが原動力となっており「CDを売ろう」という本来の目的を、謹んで逸脱させていただきました。

ついては今後のモチベーション向上の一環として、遅ればせながら昨日話題のシン・ゴジラを観てきました。

最近の邦画では珍しく、極端な礼賛が寄せられている作品です。
そこで前提その1として書いておくと、総監督である庵野秀明さんの作品は特撮博物館の『巨神兵東京に現わる』を除くと、『エヴァンゲリオン』はじめアニメ実写含め一作も観たことがありません。
ゆえに、庵野秀明さんが語られる際につきまとうバイアス、いわゆる「エヴァの呪縛」は僕の中に皆無であります。

また前提その2として、一方で僕がゴジラシリーズはハリウッド作含め全作品観ている、つまりは世間で言うところのゴジラファンであること。加えて今作の監督である樋口真嗣さんの出世作平成ガメラシリーズ」も全て拝見しております。

そんな中途半端なバイアスが所々に顔を出すことをご承知おきの上、下記の駄文に目をお通しいただけますと幸いです。
とにかく長いよ

あ、ネタバレはなるべくしないように書きます。

http://breakingnews800.com/wp-content/uploads/2016/04/g3-2-533x300.jpg

さて。

詳細なストーリーは下記をご覧いただくとして。
シン・ゴジラ あらすじ - Google 検索

作品の大まかな内容としては、キャッチコピーの「現実 対 虚構(ニッポン 対 ゴジラ)」どおり、現代の日本(現実)に身長110メートル超の巨大生物(虚構)が現れたら…というシチュエーションを緻密な取材に基づきシミュレーションした作品です。
毎年防災の日に各テレビ局でオンエアされる『巨大地震 ーその時、あなたはー(適当)』における想定ドラマの怪獣版だとお考えください。まあ乱暴ですけども。

作品世界において、我々が暮らすリアルと大きく異なるのはただひとつ。
「怪獣」という文化がないことです。

本作においてゴジラは、政府内では名称が定まるまで「巨大不明生物」としか呼ばれず、また市井の人々が発信するニコ動(のようなもの)などのコメントやツイート(のようなもの)にも「怪獣」というワードは登場しません。
ちなみに平成ガメラシリーズの作品世界ではカメという生物は存在しない前例もあります。
ともあれ、この設定が登場人物の驚きや戸惑いにリアルな効果を与えているようです。
http://i.gzn.jp/img/2016/07/19/shin-godzilla-trailer2/cap00010.jpg
本作におけるゴジラの出自は一切不明です。
冒頭で東京湾上のボートから消えた牧教授という人物が、その誕生に重要な関わりを持っていることが示唆されますが、牧が妻を放射線被害で失い政府に怨みを持っていたらしいこと、ゴジラのゲノムに関する手掛かりを遺していたということ、このふたつが作品内で提示されるのみで、元となった生き物、誕生時期、さらに上陸して都市を蹂躙する理由も目的も明かされません。

ゆえに政府がゴジラについて知っていることと、作品内の市民が体験すること、さらに観客がスクリーンで観ていることが同等となります。
これぞ有事を描くシミュレーションの醍醐味であり、超然としたヒーローや黒幕など先の見える者のいないリアルな作風となるわけです。

そして観客だけが知っている唯一の秘密はゴジラの強さ」ですが、自衛隊やアメリカ海軍による圧倒的な火力の集中放火を顔面に浴びようと傷ひとつつかず、黙々と歩を進める描写は、その強さを知っていてもなお驚かされます。
http://i.gzn.jp/img/2016/07/19/shin-godzilla-trailer2/00.jpg
また、ゴジラ最強の武器と言えばいわゆる「放射能熱線」なんですが、この出し方が過去作品にないスタイル・形状・威力でして、人間ごときがどれほど知恵を絞ろうと逃げきれるわけのない史上最凶最悪の災厄として描かれます。
またその際のゴジラの表情や身構えには、見た者に気持ち悪さしか残さない生理的なヤバさを孕んでおります。

このことに代表されるように、本作のゴジラはかなり独特です。
例えば一昨年公開されたギャレス・エドワーズGODZILLAはヒロイックな面を前に出した「強いゴジラ」でした。平成ゴジラのブラッシュアップ版と言えるでしょう。
また2001年に金子修介さんが監督した、平成ガメラシリーズの傀儡とも言えるゴジラは、巨大かつ白目というビジュアル的インパクトはあるものの「戦没者の怨念」という感傷的な背景から感情移入の余地のあるポジションでした。心臓のみ生きているラストにも「こいつ、しつこいなw」と呆れるほどの執念が感じられました。

対して本作のゴジラには、怒りや執念も哀しみも見えず、全てにおいて「怖さ」しか残りません。
作品前半で漁船群や瓦礫を押し込みながら川を北上する際の、あの時の津波に感じた不気味さ。そして水中から顔を出し初めて見せた顔(特に目)の、あらゆる感情移入が絶望的な異常さ。後ろ脚に力を入れて立ち上がった時の鳥肌が立つほどの奇妙さ。
ただ、仮に市民を巻き添えにしたとしても、不快程度の段階で撃退しておけば…と後悔と非難が湧き上がること必至です。
http://rensai.jp/wp-content/uploads/2016/07/20160616-shingodzilla.jpg
二度目の上陸においてようやく、ポスターや予告動画でおなじみの「表皮に触ると痛そうだけど、どう見てもゴジラ」がご開帳となるわけですが、この時点でもう「どうにもならない感」に苛まれ、くだんの熱線放出により、この国に一時的な政治空白が生まれてしまいます。

基本的に現実における軍備は、国家間における政治的な配慮でしかありません。それでも私たちの脳には、配備された兵器が地上の構造物を完膚なきまでに破壊できることが刷り込まれています。だから軍備には必ず反対意見が巻き起こるのです。
http://i.gzn.jp/img/2016/04/14/shin-godzilla-trailer/00.jpg
ところが、その反対意見を撥ね付けてまで保有する全火力(核を除く)をもってしても傷ひとつつかない構造物が、まさかの生物
ただし、この『シン・ゴジラ』においては「さすがゴジラ、パネぇぇぇぇwww」なんて能天気な気分にはさせません。

なぜなら、この武力行使がいかに前例のない決断か、この決断が要人たちのいかなる駆け引きにより行われたのか、どれほど現場の自衛隊員が忠実にミッションをこなしたのか、いかに早く次の作戦へ移行したのか、非常に緻密な描写があるからです。
この間の関係者の動きが、もれなく、しかもテンポよく描かれるのですが、とにかく誰もが職務に忠実なんですね。
日本人の美徳である勤勉さこそが、本作のもうひとつのテーマであるようにも見えます。
ミサイルひとつ飛ばすまでに、どんなプロセスが、どんな思慮が必要なのか、充分に思い知らされます。

ゴジラから逃げ回る名もなき人たちを除けば、本作の登場人物は具体的な肩書きのあるプロフェッショナルばかり
彼らの家族や恋人、行きつけの飲み屋のママ、飲み仲間、同級生、とにかく現場に直接関係のない人物は登場しません。
http://i.gzn.jp/img/2016/04/14/shin-godzilla-trailer/cap00020.jpg
僕自身、地元で災害が起これば直ちに現場で指揮をとる職務にあたっており、自宅にいたとしても家族の安否を報告したのち速やかに職場へ向かうことになっています。

よくデザスター作品で、地球の危機に職場を捨てて家族を探しに行ったり、その場で手を取り合い絆を確認し合うようなシーンがあるんですが、己の現実に置き換えて「よくそんな余裕があるな、こいつら」という羨ましさ、もとい違和感を持っておりました。
そんなリアルを改めて感じさせてくれた映画作品は『シン・ゴジラ』が初めてでした。まあ少数派なのかもしれませんが、はい。
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ともかく、このプロフェッショナルたちが、ゴジラの殲滅という最終目標に向かう姿勢こそが『シン・ゴジラ』の真骨頂なのかもしれません。
もちろんそこには美徳ばかりでなく、任務をこなした先の出世欲といった要素ももれなく含まれているわけですが、それは「政治への風刺」といった類ではない、リアルを描く上で欠かせない描写だったと捉えています。
僕だって大きな任務をこなしたらとりあえず褒めてくれよ、と思いますし。
それに付随して「オトナが言う大人とは何か」を主人公自身が感じるシーンもあります。

「人間ドラマが薄い」という評価をされた方もいるようですが、個人的には前例のない災厄をめぐる動揺、若い世代がポストを獲得するための駆け引きなど、人間の弱い部分と醜い部分がさらりと加えられた、重厚でないが非常に多層的な人間ドラマだと思います。
http://www.cinra.net/uploads/img/news/2016/20160616-shingodzilla02.jpg
それとやはりゴジラは、何と言っても特撮パート。
もはや着ぐるみかCGかという議論はギャレス版ゴジラで終結したかと思うんですが、今作のゴジラにおいては、前述のようにすべての感情移入を拒絶する存在であり、どの生物にも見られない挙動があったことからCG以外の手法はあり得なかったと思います。
また日中、夕景、夜と異なるシチュエーションにCGゴジラを登場させているのもなかなかの決断だったと邪推します。

また映像の出来ということで言えば、冒頭からしばらくは、ひたすらにそつがないという印象でした。
民家の屋根、電線、路上の看板に至るまで三池美術監督の細かな仕事ぶりはそのままに、完全CGで作られたゴジラとのマッチングや、実景との効果的な合成、兵器の着弾から爆発のタイミング、絶望的な炎上や崩壊まで丁寧な画作りが続きます。

ところが、後半20分ほどはとにかく精度よりも目的、テンション高めで夜露死苦という感じ。
中盤の重さを突き破るようにクライマックスへ向かって「うおおおおおおおおおお!」と声に出そうな勢いですべてのカットが熱く走り出します。
https://www.be-en.co.jp/upload/save_image/61-363.jpg
ドラマではこの劇的な展開に至るまでに、主人公たちによる綿密な工作と民間会社の多大なる協力と、自衛隊による周到な準備があり、すべての日本人がここに賭けざるを得ない感もしっかり描写されているので、流れとして破綻してはいません。
いませんが、なまじその攻撃手段がそもそも巨大生物に打撃を加えることなど考慮されていない現実に存在するマシンで、それらがあの明朝体によるテロップ付きで次々と投入されるわけですから、燃えていいのか笑っていいのか、とにかくひたすら凄いと唸るほかありません。

思えば、原点でもある『ゴジラ』(1954)のクライマックスには、悪魔の兵器たるオキシジェン・デストロイヤーが使用され、開発者自らの命と引き替えにゴジラを殲滅するというあまりにもあまりな鬱展開でした。
それに比して、本作では超兵器には頼らず、日本人たちが戦後に生み出した叡智を結集してゴジラに立ち向かうのです。
もうがんばれニッポンがんばろうニッポンなのであります。
その様をビジュアル化するとこうなるのか!と感動と感謝を呼び起こしてくれます。

事前情報で完全に伏せられているのが、まさにこのクライマックスでして、エンドロールまですべて観終わって「やはりTOKUSATSUはメイド・イン・ジャパンに限る!」と鼻息が荒くなること請け合い。
と同時に庵野秀明さん、あなたは素晴らしい。特撮の救世主現るですよ。
時間があれば観てみます、エヴァンゲリオン

とにかく邦画厨の論争とかどうでもいいから、アタマん中スッカラカンにしてスクリーンで観て感動に打ち震えながら余韻を噛み締めて糞して寝ろ!
と、この駄文もクライマックスは荒っぽく締めて、終わりといたします。お付き合いいただき誠にありがとうございました。



【お知らせ】
本稿における画像はすべてメディア各社公開の直リンを貼らせていただきました。問題ある場合はお手数ですが、御社名とご担当者様のお名前、当該画像を明示の上コメント欄までご指摘くださいませ。速やかに削除対応いたします。

いまさらのCDレーベル。

ラジオ マル秘 音楽

先ほどのエントリーに絡めてのハナシです。
実は昨年から社の新規事業としてCDレーベルを運営しております。


AR Records facebookページ

「なんでいま頃CDやねん」とか「時代は配信だろ」とか「時代はパーシャル!」という声は社内でもありまして、そこはまぁ自分なりにじっくり考えた結論なんで、ここはひとつ「すっこんでろ」という穏やかな心持ちなんですね。

別に音楽産業に打って出ようというわけじゃなく、あくまで「お金をかけてしっかり作った番組グッズ」という位置付けなんですよ。

昔のラジオ番組では、採用した投稿者に番組ロゴ入りの記念品を送ってたものですが、ここ10数年は経費削減により、グッズが全く作られない状況が続いていました。

CDであれば、番組アーカイブも収められるし、番組連動の楽曲を作ることもでき、何と言ってもブックレットでビジュアルも付加できます。
番組に広がりを持たせ、また何年か後に思い出してもらうには最適だと考えたわけです。

いつか卒業するけれど、また社会的ポジションが安定すると戻ることのできるメディアですし、思い出というのも結構重要なんですよ、ラジオの場合。
「特製待ち受け画像」なんて、皆さん削除してますよね、すでに。
やはり思い出していただくには、モノだと思うわけです。

「リスナーさんからお金をとっちゃおしまいよ」という声も理解はしますが、だからこそ我々作り手としては、番組と同等、もしくはそれ以上に熱を入れられるという側面もあるわけです。
「仏作って魂入れず」と言うように、出来上がったものに誰も熱を感じてくれなくてお買い上げいただけなければ、とっとと撤収します。

とは言え、立ち上げて8ヶ月でCD4枚、DVD1枚。お試しでリリースした1枚を除き全てがペイ出来ています。
電波ほど利益率が良いわけでもなく、在庫のリスクを考えると同業他社様にお薦めできないですが、単純にカタログ増えるの楽しいなというところで、無理なく長く続けていきたい所存であります。

CDリリースします。

シンセ KORG ラジオ 音楽 マル秘

とは言え、プロデュースを担当してる番組のCDなんですけども。

恥ずかしながら、ワタクシも3トラック提供しております。
このブログ的なトピックとしては、そのうち2トラックをKORG Gadgetだけで作っております。

仕事が忙しい上に、製作中に編成へ異動が出てしまい、暇があるとiPhoneをチマチマ弄ってなんとか作り上げたというところです。

ちなみに加藤清正徳川家康のトラックでGadget、織田信長(上の動画のBGM)でTRITONなどを使用しております。
ご興味ある方はぜひ!

名古屋のラジオはいろんなことになっておりますが。

ラジオ

名古屋のAMラジオ界は、CBCラジオ東海ラジオという、文化のまるで違う放送局が双方を意識しながら作り上げてきた歴史があります。
セッツインユースを見れば首都圏や関西圏と大して変わらないのに「名古屋のAMラジオ文化は濃い」と言われるのは、パーソナリティ、リスナー、スタッフの関係が濃密だからだと思います。
その意味でかの方は、そのイメージを良くも悪くも体現していた方でした。

その一翼が失われたことで、放送文化のかなり大きな部分が欠落したことは否定できません。
今後の名古屋ラジオ界が、この事件を乗り越えて新たな文化を作ることができるよう祈ってますし、自分もそれに貢献できる働きをしたいと思っております。

あー、忘れてた。

ラジオ シンセ マル秘

そうそう先週の土曜、この番組を復活したのでした。

まだ現時点(執筆時)ではタイムシフトが間に合いますことよ。

番組内でもパーソナリティの佐野さんが何度も強調されたように、1年と1ヶ月と1週間ぶりの復活。
しばらくは半年に1回のペースという条件付きですが、実はワタクシ自身ちょっと意外でして。
つまり、復活は自分が仕掛けたわけではないんです。

いや、プロデューサーという仕事は、皆さんが想像するほどの権力はないんですよ、少なくともラジオ界においては。
予算ちょろまかしてポルシェ買ってみたり、愛人にマンション買ってみたり、女性タレントに出演をチラつかせて奴隷化してみたり、差し歯を全部金にしてみたり、なんてラジオPがいたらぜひ弟子入りしたいものです。

組織におけるプロデューサーとは、与えられた番組の責任者かつ与えられた予算の管理担当者でしかなく、基本的には編成が決めた案件を具現化する仕事なんですね。
もちろんスタッフやゲストを采配する権限はあるんですけども、少ない予算の中では限りもありますし、佐野さんの人脈とお人柄に頼ってばかりの不甲斐ないPなのであります。

そして今回の復活は、上長から突然「やらないか」とアッー!な意味ではない方向からプッシュされたので、時間がない中アタフタと陣容を整えたような有り様です。

とは言え、初めて自分の企画で立ち上げた思い入れのある番組ゆえ、「あー、ハイハイ」などと淡々と進めるわけもなく、せっかく復活するなら、前とほとんど同じだけどちょっと新しいことを付け加えないと、とは考えました。
それがUstreamからニコニコ生放送への変更でした。

4年前の放送で行ったブロガーズミーティングの参加者に、その後ドワンゴさんに就職された方がいて、いろいろアドバイスに乗ってもらった挙句、当日の配信まで担当していただけたのです。

そもそもUstreamを始めたのはスタッフの縁でしたし、中川社長にまで出演いただいたわけですが、そのスタッフも今年のUstream Asia解散により義理を果たしたことから、ニコ生への変更も満場一致という流れでした。

驚かれるかもしれませんが、東京スタジオにはロクなインフラがなく、回線はずっとWiMAXを使っています。
しかもその電波状態も3分の2という貧弱さで、Ust時代にコケていた原因かとも思ってましたが、今回のニコ生は全く切れることもなく、もしかしたらサーバ側の問題なのかな、と勘ぐっている次第です。

タイミングにも、スタッフにも、リスナーさんにも助けられ、また復活のジャッジをしてくれた上司にも感謝です。
次はなんとなく秋かな、と思っておりますが、たまに上記リンクをチェックいただけると幸いでございます。

volca fm買ってみた。

KORG シンセ

あれから3ヶ月。発売からまもなく1ヶ月。

前評判の良かったvolca fm、ネット界隈では「5月入荷」などと悩ましいハナシもちらほら。
そんなわけで「触れりゃラッキーかな」程度のライトな気分で名古屋市内の某店へ行ったら買えました。いやホントにあっさり。
入荷待ちの皆さん申し訳なし。

ネット画像ではvolca beatsと同じブラックに見えたパネルですが、明るいところで見るとしっかり濃厚なブラウンでした。

肝心の音ですが、これはもぉ、竹を割ったようなFMです。
井之頭五郎なら「このわざとらしいほどのFM味!」とつぶやくほどに。
あのFM特有の「ギョイーン」がこんな小さなハコから出てくるんだ、と妙な感慨に耽ります。

内蔵スピーカーだけではナニなので、とりあえずiPhone付属のイヤホンで聴いてみましたが、音質はvolca keysなどのアナログモデルと比べてもクリアで抜けも良く、インタフェース経由でDAWに取り込んでもそのまま使えると思います。

6オペだと4オペに比べモジュレータとキャリアの関係が複雑になる分、突拍子もない音が生まれやすくなります。
それはこのvolca fmのALGRTM(アルゴリズム)ノブを回してみるとよくわかります。
これをジワジワと切り替えて音色を変えるもよし、一気に回して得体の知れないノイズに仕立てるもよし、これだけで1時間くらいは楽しめます。

付属のパラメータ・リスト。これだけでもFM感満点。

EDITモードではほとんどのパラメータを弄れますが、ここはかつてのデジタルシンセ同様ひとつひとつを呼び出して値を変えるタイプ。
全部ツマミにするとこうなっちゃうんですよね。

ちなみにこれはDTRONICSのDT7でございます。

まあ、この値段でDX7と同じことが出来る、ということだけでよしとしましょう。
そもそもノブだろうとタッチパネルだろうと、狙った音作りができないのはFM音源の宿命なんで。

それと界隈で不満の高い3音ポリ仕様、確かに楽曲制作ではデメリットですが、このハコだけで遊ぶのなら、むしろ4音押さえるのは無駄に大変です。
ここは逆に開き直って、ボイスモードを"UNISON"で鳴らすべし。その太さに驚きます。
特にベースサウンドでの効果は絶大で、"POLY"へ戻した際ちょっとした寂しさを覚えるのでお試しを。

volcaシリーズの特徴と言えば、どう鳴らして遊ぶかに力点が置かれている点。
この点でも、volca fmは集大成となっております。

新機能の目玉とも言えるのがアルペジエーター
Rise/Fall/Randomが3タイプずつ、計9タイプが用意されてますが、ここではタイプはどうあれDIYノブを弄った方が楽しく遊べます。

またWARP ACTIVE STEPは、beatsやsampleなどで組んだリズムとシンクロさせると効果がわかります。
昔のテープループを思わせるような機能です。

ツマミやスライダーの動きを記憶できるモーション・シーケンスは、アナログ3部作から搭載されていますが、volca fmではアルペジエーターの動きまで記憶できるため、16ステップというスペック以上の音数を詰め込むことが可能です。

シーケンスをセーブする際、その時鳴らしていた音色ごと記憶してくれるのは便利。
新機能PATTERN CHAINは2または4小節単位のベースラインを組む時便利なんですが、音色の違うパターン同士でチェーンさせるのも一興。
偶発性を重視した操作性の良さと言うのか、ミスタッチでも何か生まれてしまうところは相変わらずです。

アナログ音源、サンプラー(PCM)、FM音源とくると、果たして次のvolcaがネタにできる音源はあるのか気になりますが、しばらくはfmで遊び倒したいと思います。

iPhoneでKORG TRITONを鳴らす。

KORG シンセ

前回の投稿で、iPhoneKORG GadgetへのM1(Darwin)インストールについて書いたわけですが、同じような方法でKORG TRITONを入れてみませんかこの野郎!というのが今回のA猪木的お題目であります。

TRITON、嗚呼TRITON
なかなか思い出深いシンセサイザーです。

KORG MUSEUM|KORG INC.

つか、ワテクシにとっては15年経った今なお現役バリバリのマシンなんですけど、実機を弄っていればこそ余計に「iPhoneでも鳴らしてみたい」という想いにかられるわけですから、人間わからんもんです。

結論から言えば、100音色という制約はありつつもiPhoneであの音が蘇るんですよ。

TRITON taktileを買えば、MIDIキーボードに512プログラムが付いてくるじゃん」

こらこら無粋なことを言うもんじゃない。

例え100音色であろうと、TRITONiPhoneに入れるところにささやかな贅沢というか、発泡酒アワビの燻製というか、「俺の人生にも一度くらいこんなことがあってもいいだろ」と感無量に語る長州力のような多幸感をもたらすわけですね。

ただ、万人にその権利が与えられるわけではありません。
このミッションには以下の条件を満たす必要があります。

  • iPhoneを持っていること
  • iPadiPad2以降)も持っていること
  • 双方を最新のiOSにしておくこと
  • 双方にKORG Gadgetをインストールしていること

残酷にて恐縮ではありますが、この4つを満たせない者は、ここから先を読んでも時間の無駄です。
ひとまず4つ目についてはGadgetがユニバーサルアプリであることをKORG御中に感謝しながらさらに続けます。

  • iPadKORG Moduleをインストールすること

ここが重要なところで、ちょっと安いiPhone版ではこの作戦に参加できません。
さらに重要なのは、TRITONの音色と引き換えに、ピアノなど他のModule音源が正常に鳴らなくなることです。
ここから先、とにかくTRITONの音が欲しい!という方を除き途中下山されることをお勧めします。

ということで、Module for iPhoneを購入された方には、下記任務の遂行が必要となります。

  • KORG Module for iPhoneをアンインストールすること

これはマストです。いやもう命令です。
そのままだとGadgetはリモートインストール時にiPhone版を取り込んでしまいます。
俺はTRITONが欲しいんだろ?愛してるんだろ?素直になれよ!と壁に拳を叩きつけながら読み進めてください。
ここからが重要です。

  • iPad版Moduleにアプリ内ストアから"TRITON Best Selection"を購入すること

100プログラムに絞られてはいますが、この行程を経てあのTRITON様がiOS界に降臨されるわけです。
このありがたいライブラリ、実はiPhone版Moduleには追加できない仕様でして、先にアンインスコを突き付けたのは斯様な理由からであります。

すでに牛丼数十杯分の投資を続けてしまったわけですが、ここからはwifi環境さえあればフリーです。ラクチンです。

  • こちら↓の追記を参照のこと。

長くなるので引用で申し訳ない。
で、リモートインストールが終了したら、iPhone版Gadgetに追加された"GLASGOW"を立ち上げてみましょう。
プログラムNo.32の"NOISY STABBER"以降にTRITON Best Selectionの100音色が反映されています。

M1=Darwinのように独自UIだと良かったんですが、そもそも非推奨インストールなのでおとなしくしましょう。
ちなみにこのキャプチャーにあるBrass Hit、実機でクドいほど多用しまくっておりました。

これに前回の要領でM1を加えていれば、TRITONの音源も含め、多数の高品位PCM音源がGadgetで使用できるわけです。
あとはMIDIキーボードさえあれば、仕様的には本格的なワークステーションとなります。

さあ、もう言い訳はできない。曲を作るか(汗)