sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

こう来たか。

Rolandさんからメールでお知らせが来ました。

SYSTEM-100かぁ。
SYSTEM-1mが出た時にさりげなく予想はしてたんだけど、まさかユニット101と102を両方乗っけてくるとは思わなかったので吃驚。

価格も随分と思い切りましたね。
SYSTEM-1ユーザー優待価格でも税込19,440円。
101+102の合算だからと言われればそれまでですが。

ちなみにワタクシ、大学時代に両機とも所有してたんですよ。
もちろん中古で手に入れたものの、メンテナンスが相当酷い状態でしたので、ガリはまだしも無反応なノブもありまして、結局2年ほどで手放してしまいました。

以前も触れましたが、子どもの頃にこの本でシンセサイザーについて勉強しました。

この書籍で使用されていたのが、SYSTEM-100のユニット101だったんですね。
波の音や蒸気機関車といった定番のThe 昭和サウンドチャートに胸躍らせながら悶々としてました。いやもぉ懐かしや。

それから1年ほどして入手したのが同じローランドのSH-101でして、予習の甲斐あって音作りがスイスイできたのでございます。

つーことで、夜も更けてまいりましたので、体験版インストールはまた明日。

TB-3あれこれ。

SYSTEM-1、TB-3と来たらTR-8を手に入れろという流れなんですけど、年内にこれ以上機材に投資するのは家庭の事情もありたぶん厳しいので、とりあえずTRサンプルの入ったvolca sampleでお茶を濁します。
そこはvolca beatsだろ!という声はさておき。

ここ2日ほどTB-3で遊んでますけど、なにしろベースとなったTB-303の実機を触ったことがない以上、好事家のお好きな似てる似てない話には加担できません。

ただこの音がいいか悪いかと言われれば、明らかにいい音だと思います。
ベースとして、アシッドハウスのビヨビヨとして、ノイズ発生器として、オケに埋もれにくいエッジと逞しさを持っていると思います。
新たに搭載されたオシレーターで作られたベース、リード、SE系の音色については、EDMで即戦力となりそうな、なんと言うか竹を割ったようなサウンドで、逆にパッドなど空間系には向かないかなと。

で、ふと思い立ってSYSTEM-1に繋いでMIDIコントローラーにしてみたの図。

TB側のコントロールノブの動きに追従してSYSTEM-1の音色も変化します。
ついでにベロシティ非対応のPLUG-OUT音源(Promars)も鳴らしてみたところ、XYプレイではY軸の音量変化にもしっかり対応してくれました。
これは嬉しい。

あとMIDIで繋いだことによって、TB-3のシーケンサー機能の良さを実感できたのは大きな収穫。
SYSTEM-1にはアドリブに強いアルペジエーターはあるものの、かつてJP-8000などにあったRPS的な機能があるといいなと思っていたので、手元にTB-3を置いておきパターン演奏に使うというのもアリですな。

いかん、これでは単なるシーケンサー付きのMIDIコンじゃないか。
TB-3の音源を生かさないと。

AIRA TB-3がやってきた。


ということで、前回からの流れを全く汲まずに入手いたしましたよ。

なんで今さら、というところではありますが。
実は昨年のKORG volcaマイブームでvolca bassだけ入手してなかったんですよ。
これには理由があって、単に僕がRoland TB-303に関心がなかったからなんですね。

▪️ローランド・TB-303 -Wikipedia
https://goo.gl/iJLrEb

発売当時(1982年〜83年)のことはよく憶えてまして。
というのも、最初に手に入れたシンセSH-101からステップアップしようとすると、マイクロコンポーザーMC-202、リズムマシンTR-606、そしてこのTB-303によるたった1人のフルバンドコース一択しかなかったのであります。

が、当時TB-303はベースシンセサイザーとしてもシーケンサーとしても中途半端な存在で、TR-606を見る機会はあってもTB-303を目にすることは稀でした。
いや確実にないぞ、記憶には。

その後登場したデジタルシンセやPCMドラムマシンに駆逐されたアナログ勢においても、とりわけTB-303記憶に残らない気の毒なマシンに堕ちてしまったわけです。

定価の10分の1程度で投げ売りされていたTB-303は、80年代末期にハウスシーンで使用されて以来、ヴィンテージ機の仲間入りを果たします。
値上がり率ではローランド最高の出世魚ではないでしょうか。
つい最近も壮絶な高値で販売されているのを見かけました。

xOxbOxなどのクローン機も何度か目にしていましたし、volcaシリーズをフルコンプしようかと考えたこともあるんですが、やはりわざわざベース専用機を買おうと思うことはなかったんです。

それがどうしてTB-3を手に入れたか、なんですけども、楽器店で試奏してるうちにガジェットとして面白いな、と思ったわけです。

TB-3はSYSTEM-1と異なり、たいして音作りの出来ない音源付きシーケンサーといった趣きで、この立ち位置はTB-303と大差ありません。
しかしインターフェイスにタッチパネルが採用され、いじってるうちにそれなりのフレーズが出来てしまう。
これは本能的に刺さります。

まあ、店員さん(Roland Planetsの名札を付けてました)の説明がわかりやすかったというのも大きいんですけども。

それとサイズがちょうどいいんですよ。
床やソファやベッドでゴロゴロしながら遊ぶのにジャストフィット。
店頭ではたいてい他のAIRAシリーズと並んでいるので目立たないんですけど、単体で持った時の大きさや質感が遊び倒すには良い感じです。
つまり、本機に感じた唯一の欠点は「乾電池で使えないこと」くらいでしょうか。

そう、そもそもハウスシーンで脚光を浴びる前のTB-303って、安売りしていて遊び倒せるマシンだったんじゃないのかな、と思いを馳せるわけです。
その意味で、妙な価値が付いて神棚に上げられてしまった現状の本家より本家らしいのがTB-3だと思った次第です。

参考までに、この動画を見ればTB-3で何が出来るのかよくわかると思います。

808の日に想う。

なんでも昨日8/8は808の日だったそうで、Roland TR-808界隈の皆様方には遅ればせながら謹んでお慶び申し上げます。

恥ずかしながらこのワタクシ、TR-808の現物は未だ見たこともなく、販売当時はYMO版「千のナイフ」のハンドクラップ程度の認識でした。
ヒップホップ/ハウス界隈でリバイバルした頃、某社サンプラーにキットがまるまる付属しており、猿のナントカ並みに多用していたこともあり、サウンドには馴染みがあるんですけれども。

さてこの808の日、生誕の地であらせられる我が国ではちっとも盛り上がらなかったんですが、USのRolandfacebookなどSNSで連日808関連ポストを飛ばしておりました。
無論AIRA TR-8の販促キャンペーンという側面もあるのでしょうが。

そんな中、アメリカ国内やオンラインでDJスクールを催しているDubspotでは、Rolandと組んで808の日にAIRA TR-8を用いたワークショップなどを展開していたわけですが、このページ、下の方へ行くと…

おっ、なんだコレは。

なんとTR-808仕様のTR-8オーバーレイだそうで、808の日にちなんでアメリカ在住の方限定で抽選によりプレゼントされた模様です。素晴らしい!
ちなみにこのオーバーレイ、通常は下記リンク先で販売されているものでして、PayPalを通じて75USドルで入手できます。

◾︎SYNTHGRAPHICS
TR-808 & 909 overlays for Roland TR-8

プレゼント対象外の日本国内TR-8ユーザーの皆さまは奮ってポチされてはいかがでしょうか。
上記リンク先にもあるように、このオーバーレイにはTR-909バージョンもあるので、今度は9/9に向けて909界隈で祭りが始まるんでしょうか。

SYSTEM-1界隈なワタクシとしては、SH-2かPromarsのオーバレイが出てこねーかな、有償でもいいぞコノヤロー、と頭から冷水をぶっかけて念じております。

SYSTEM-1 Software版を入れてみた。が。

結局入れちゃったんですが。DAWAbleton Live 9 Liteなんですけど、めちゃくちゃCPUパワーを喰ってるようで、音がプチプチなんですよ。

他のPLUG-OUTシンセではなかった現象なので、どうしたものやらとFAQに目を通してみたら、こんな項目が…

しばし検証してみます。むー。

このソフトが載って、しかもPCより細かい分解能でサクサク動いちゃうハードウェアって凄いんだなぁ。

SYSTEM-1 Librarianとやらを入れてみた。

ハードウェア版SYSTEM-1のサイトに、"SYSTEM-1 Librarian"というエディターソフトが公開されておりますた。
Windows版とMac版とがございますのでお好みで。

サイトの説明文を引用します。

SYSTEM-1 Librarian for Windows は、SYSTEM-1 および SYSTEM-1m の音色メモリーをコンピューター上で管理するライブラリアンです。
ライブラリアンには、250 以上の音色メモリーを同梱しています。
また、SYSTEM-1 Software Synthesizer の体験版としても動作します。

またまたサウンドバンクが増殖X∞しております。
ここ4ヶ月ほどで物凄い数の音を作ってませんかRolandさん。
メモリーが増えるのはありがたいことですが。
ちなみにこのライブラリアン、名称こそ違ってますが、ブラグイン版の体験版として配布されているものと同じファイルのようです。

で、これをインストールしてAbleton Live 9 Liteを立ち上げると、Plug-Ins>Rolandに"SYSTEM-1"の名が。

メモリー機能ですが、PLUG-OUTシンセを使った方なら難なく使えると思います。
PATCHを選びハード版にSENDしたり、逆にハード版からGETしたり、という仕組みです。
味気ない名のファイルをコピペでやりとりしていた過去のサウンドバンクと違い、音色に名前を付けて管理できるのは便利です。
ライブラリーとしては無料かつ利用制限もなく使えます。

そして引用の最後にあるように、ソフトウェアシンセの体験版としても使えます。

早速ハードと鳴らし比べをしてみましたが、単刀直入に書けば同じ音だなと。
ただ、PCで妻がいろいろと立ち上げていたせいで、起動から5分も経ってないのに音がバリバリと(苦)。
ソフトウェアの検証は日を改めてまた。

ちなみに体験版は最初の起動から14日経つと、音が歪んだり小さくなったりとまるで使えなくなりますが、とりあえずしばらくはメモリー管理ツールとして使ってみます。

三社三様。

【7/12追記】
タイトルを変更しました。すいませんベタで。


45歳以上(推定)の好事家にとって最も大きな関心事は「この21世紀にアナログシンセをどうやって復活させるのか」の一点に絞られていたように思うんですね、唐突ですが。

そもそもアナログ機への回帰が始まったのは、2008年にKORGから発売されたDS-10というゲームソフトでした。

KORG DS-10

KORG DS-10

いやちょっと待て、同社のKaossilatorだろ!というお声もあるでしょうが、アレはアナログ機というより、ガジェットシンセというジャンルの嚆矢だったわけです。

またこれに先んじて同社のLegacy CollectionでもMS-20が発売されていましたが、こちらは好事家とは微妙に守備範囲が異なるDTMerの間で密かに珍重されていた向きもあり、リリース本数では圧倒的にDS-10の方が上回っていたそうです。

このDS-10の凄さは、バーチャルだからこそMS-10を安価に、しかも1万円台で買えるゲーム機において復刻できたことに尽きます。
かつてアナログシンセに親しんでいた人はもちろん、高価なアナログ機、もしくはモデリング機に手を出せなかった人を中心に支持されたようです。
この頃は好事家も物分かりがよく、アナログによるアナログ好事家のためのアナログ機が世に出るなど、誰も想像していませんでした。

そして2010年に発売されたリアルアナログ・ガジェットmonotronからmonotribeを経て、まさかまさかの新製品が生まれたわけです。

いやホント、このMS-20 miniの登場には唖然としました。
担当番組で特集した際に触らせていただいたり、開発スタッフの皆さんにもお話を聞けたんですが、最新の部品をかき集めた上、サイズを小さくして再開発する発想は、あまりにも斬新過ぎました。

そこで好事家には「KORGに出来たんだからお前もやれー」とTogetherさせちゃうルー大柴のごときプレッシャーを他メーカーに向ける者も現れ、それはそれは誠にお気の毒様と言わざるを得ない状況でした。
フランスのソフトウェアメーカーであるArturiaがMINIBRUTEなる鍵盤付きアナログマシンを発売したことも影響したんでしょう。

そんなところへRolandが放ったのがSYSTEM-1でした。

アナログ機をアナログのまま再現したKORGと対照的に、アナログ機の回路をデジタル技術(ACBテクノロジー)で再構築するというコンセプトのマシンです。
ヴィンテージ機の高騰を横目に、過去の技術で商売しないRolandらしさ全開の、甚だバカ正直な商品だと思った次第です。
創業者様のご尊顔から「そのまま作ったらお仕置きだベぇ」というフレーズが飛び出してこようというものです。

ただ、そのACBテクノロジーを用いて、同じマシンに過去の名機を再現する"PLUG-OUT"は見事な発想でした。
SH-101のソフトウェアをまんまSH-101の筐体に載せるという愚業へ走らなかったところに心意気を感じました。
また初期のSHシリーズを彷彿とさせるパネルに電飾満載のイマドキ感を付加したのも「うちのは再現じゃなくリファインだす!」との主張が垣間見られます。

そして数日前、長らく沈黙を保っていたYAMAHAが"Reface"なる新シリーズで、久々にCSの冠を引っ張り出してきました。

SYSTEM-1同様アナログモデリングなのはさておき、カラーリングはアタックもニュービーズも真っ青になる驚きの白さ、さらに往年のCSシリーズで多用されたノブスイッチから一面スライダーへの宗旨替えなど、「テーマは過去との訣別、ですか?」と問いただしたくなるイメチェン感。
同シリーズのDXが見事なまでのDXっぷりを見せているのとは対照的です。

スピーカーまで付いているので、これはCS全体というよりCS01に特化したリファインかもしれませんが、この動画におけるスライダーの弄り方を見ると、新しい楽器を作っちゃったという感覚だと思います。

もし露店でRefineシリーズがこんな感じで売られてたら、このおじさんの熱さに負けて即買いしそうですハイ。

ところでSYSTEM-1とRefaceシリーズ双方の開発者インタビューでは「アナログで作る気はなかったのか?」と同じ質問が飛んでおり、この疑問が好事家最大の関心事であったことを象徴しております。

過去のアナログ機をベースに作られた廉価シンセですが、三大メーカーそれぞれのアプローチが明確に差別化されているところが素晴らしいな、と思った次第です。