sh101's blog

ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセを語る日々

KORG MS闘魂列伝シリーズ。

今月1日、あのDS-10の発展形としてiOS専用アプリiDS-10が登場しました。

70年代にビギナー向けシンセとしてヒットしたMSシリーズ由来の製品としては、DSN-12以来1年半ぶりのお目見えです。

今回はヴォコーダーをシミュレートしたボイスシンセサイザー、リズム音源向けにパラメータが特化されたドラムパート、各音源で独立したエフェクトなど更なる新機能が搭載されていますが、このようなKORG謹製の派生商品、2000年代以降で見ると、

と、これだけあります。
あとはAndroidとPSシリーズ向け商品が出ればグランドスラムではないでしょうか。


厳密に言えば、このラインナップにMSシリーズの回路を一部流用したmonotronも含まれるかと思いますが、とりあえずデザインや名称などからの闘魂伝承を考えるに、上記を「MS闘魂列伝シリーズ」と銘打って良いかと思います。

このうちDSN-12は、諸般の事情から系列感の薄いネーミングではあるものの、DS-10以降のソフトをプロデュースした佐野電磁さんが関わられたこともありDS直系と言えましょう。

いや、こう書くと語弊があるな。
語弊があるもんだから「iMS-20をユニバーサルアプリにしてiPhoneで使えるように汁」という話になるんだな。

このMS闘魂列伝、大まかにMS系DS系に分類しておく必要があります。
それを「佐野電磁さんが関わったか否か」を分類の根拠にしてしまうと混乱が生じます。街は大騒ぎです。

例えばMS系に挙げたいのが、iPad専用でリリースされたiMS-20。
こちらも佐野電磁さんとKORGさんのタッグ製品なんですが、商品の特徴としてはMS-20 mini同様に完全再現が挙げられます。

そのことが端的にわかるのはシーケンス機能。
iMS-20ではSQシリーズのごときアナログシーケンサーが、シンセ部とは別のUIで(ハードウェアを切り替えるが如く)用意されているのに対し、DS-10ではボタン切り替えのみのシンセ内蔵機能として設定されています。


iMS-20(上)とiDS-10(下)のシーケンサー画面。このUIの違い。

一方DS系の祖であらせられるDS-10、デザインや音作りの流れについてMS-10をモデルにしているものの、パラメータの設定や機能、出音については全くの別モノです。
発売直後はネット上で「音、似てないですやん」という声もありましたが、やがて違う次元でヒット商品となりました。

つまるところこの闘魂列伝シリーズは、MSシリーズ実機のシミュレータか否か、という視点で分類すべきかと。

そもそもDS-10は小さな画面に合わせて設計されており、1/128の微調整が難儀するのにスタイラスを使わないiDS-10なら尚のこと、ノブのダブルタップでスライダーが出てくるものの、目盛りもなくアタリはアバウトになります。
こんなことからも同じiOS準拠ながら、iDS-10はiMS-20とは別発想にある商品かと思われます。

闘魂列伝シリーズに「MS」と付けてしまうと、マジソンスクエアガーデンと誤解されないかという杞憂を抱えつつ、今日のエントリを強引に締めさせていただきます。
それでは皆さん、ご無礼いたします。

流出?Roland Boutique


先日のティザーからある程度予想はしましたが、Jupitar-8 、Juno 106、JX-3Pの80年代3大ブランドの代表機をリファイン(©ヤマハ)したというわけですね。
しかもモジュールと鍵盤は別売りとのことで、SYSTEM-1mとの棲み分けが非常に微妙ではあります。
モデル機を明確にしつつ筐体をこれだけ大胆にデフォルメしているため、評価の焦点は、サウンドがどこまで実機に近いかになりそうです。

しかもそのサウンド、このブログではおなじみのACBテクノロジーによるモデリング機ということで、今後好事家の皆さんによる悲喜こもごもが勃発しそうな予感がいたします。
個人的には各機ならではのサウンドが再現されれば、アナログだろうとナニだろうと一向に構わないのですが、これまでAIRAの専売特許とも言えた技術を用いることで、Roland BoutiqueとAIRAとの関係が気になるところです。

リンク先の正確性はさておき、気になる記述がいくつか。
まず各機の同時発音数が4音ということ。
「おいJupitar-8はおろかJuno 106でもないんかーい!」とお嘆きの貴兄には、もう一台を連結すると(チェーンモード)最大8音になるそうで。

あとは16ステップのシーケンサー機能も搭載とのことで、最近TB-3を専らSYSTEM-1のシーケンサーに使用している拙者は「んがぐぐ」と喉を鳴らすほかございません。
さらにスピーカー内蔵という廉価シンセのトレンドを押さえつつ、地味なところでは、乾電池駆動はかなり羨ましいです。
AIRAシリーズを使えば使うほど切望の機能でありまして、んがぐぐ。

それと扱いやすさを優先させたのか、内部処理が44.1kHz/24bitとなっており、実はこれこそがAIRAとの決定的な違いになっているのかもしれません。
スペックだけ見ればアナログサウンドの再現性が犠牲に?とも言えるわけで、コンバーターなどトータルで考えて、どこまであの音を出してくれるのか、非常に楽しみであり不安であります。
現場からは以上です。

こう来たか。

Rolandさんからメールでお知らせが来ました。

SYSTEM-100かぁ。
SYSTEM-1mが出た時にさりげなく予想はしてたんだけど、まさかユニット101と102を両方乗っけてくるとは思わなかったので吃驚。

価格も随分と思い切りましたね。
SYSTEM-1ユーザー優待価格でも税込19,440円。
101+102の合算だからと言われればそれまでですが。

ちなみにワタクシ、大学時代に両機とも所有してたんですよ。
もちろん中古で手に入れたものの、メンテナンスが相当酷い状態でしたので、ガリはまだしも無反応なノブもありまして、結局2年ほどで手放してしまいました。

以前も触れましたが、子どもの頃にこの本でシンセサイザーについて勉強しました。

この書籍で使用されていたのが、SYSTEM-100のユニット101だったんですね。
波の音や蒸気機関車といった定番のThe 昭和サウンドチャートに胸躍らせながら悶々としてました。いやもぉ懐かしや。

それから1年ほどして入手したのが同じローランドのSH-101でして、予習の甲斐あって音作りがスイスイできたのでございます。

つーことで、夜も更けてまいりましたので、体験版インストールはまた明日。

TB-3あれこれ。

SYSTEM-1、TB-3と来たらTR-8を手に入れろという流れなんですけど、年内にこれ以上機材に投資するのは家庭の事情もありたぶん厳しいので、とりあえずTRサンプルの入ったvolca sampleでお茶を濁します。
そこはvolca beatsだろ!という声はさておき。

ここ2日ほどTB-3で遊んでますけど、なにしろベースとなったTB-303の実機を触ったことがない以上、好事家のお好きな似てる似てない話には加担できません。

ただこの音がいいか悪いかと言われれば、明らかにいい音だと思います。
ベースとして、アシッドハウスのビヨビヨとして、ノイズ発生器として、オケに埋もれにくいエッジと逞しさを持っていると思います。
新たに搭載されたオシレーターで作られたベース、リード、SE系の音色については、EDMで即戦力となりそうな、なんと言うか竹を割ったようなサウンドで、逆にパッドなど空間系には向かないかなと。

で、ふと思い立ってSYSTEM-1に繋いでMIDIコントローラーにしてみたの図。

TB側のコントロールノブの動きに追従してSYSTEM-1の音色も変化します。
ついでにベロシティ非対応のPLUG-OUT音源(Promars)も鳴らしてみたところ、XYプレイではY軸の音量変化にもしっかり対応してくれました。
これは嬉しい。

あとMIDIで繋いだことによって、TB-3のシーケンサー機能の良さを実感できたのは大きな収穫。
SYSTEM-1にはアドリブに強いアルペジエーターはあるものの、かつてJP-8000などにあったRPS的な機能があるといいなと思っていたので、手元にTB-3を置いておきパターン演奏に使うというのもアリですな。

いかん、これでは単なるシーケンサー付きのMIDIコンじゃないか。
TB-3の音源を生かさないと。

AIRA TB-3がやってきた。


ということで、前回からの流れを全く汲まずに入手いたしましたよ。

なんで今さら、というところではありますが。
実は昨年のKORG volcaマイブームでvolca bassだけ入手してなかったんですよ。
これには理由があって、単に僕がRoland TB-303に関心がなかったからなんですね。

▪️ローランド・TB-303 -Wikipedia
https://goo.gl/iJLrEb

発売当時(1982年〜83年)のことはよく憶えてまして。
というのも、最初に手に入れたシンセSH-101からステップアップしようとすると、マイクロコンポーザーMC-202、リズムマシンTR-606、そしてこのTB-303によるたった1人のフルバンドコース一択しかなかったのであります。

が、当時TB-303はベースシンセサイザーとしてもシーケンサーとしても中途半端な存在で、TR-606を見る機会はあってもTB-303を目にすることは稀でした。
いや確実にないぞ、記憶には。

その後登場したデジタルシンセやPCMドラムマシンに駆逐されたアナログ勢においても、とりわけTB-303記憶に残らない気の毒なマシンに堕ちてしまったわけです。

定価の10分の1程度で投げ売りされていたTB-303は、80年代末期にハウスシーンで使用されて以来、ヴィンテージ機の仲間入りを果たします。
値上がり率ではローランド最高の出世魚ではないでしょうか。
つい最近も壮絶な高値で販売されているのを見かけました。

xOxbOxなどのクローン機も何度か目にしていましたし、volcaシリーズをフルコンプしようかと考えたこともあるんですが、やはりわざわざベース専用機を買おうと思うことはなかったんです。

それがどうしてTB-3を手に入れたか、なんですけども、楽器店で試奏してるうちにガジェットとして面白いな、と思ったわけです。

TB-3はSYSTEM-1と異なり、たいして音作りの出来ない音源付きシーケンサーといった趣きで、この立ち位置はTB-303と大差ありません。
しかしインターフェイスにタッチパネルが採用され、いじってるうちにそれなりのフレーズが出来てしまう。
これは本能的に刺さります。

まあ、店員さん(Roland Planetsの名札を付けてました)の説明がわかりやすかったというのも大きいんですけども。

それとサイズがちょうどいいんですよ。
床やソファやベッドでゴロゴロしながら遊ぶのにジャストフィット。
店頭ではたいてい他のAIRAシリーズと並んでいるので目立たないんですけど、単体で持った時の大きさや質感が遊び倒すには良い感じです。
つまり、本機に感じた唯一の欠点は「乾電池で使えないこと」くらいでしょうか。

そう、そもそもハウスシーンで脚光を浴びる前のTB-303って、安売りしていて遊び倒せるマシンだったんじゃないのかな、と思いを馳せるわけです。
その意味で、妙な価値が付いて神棚に上げられてしまった現状の本家より本家らしいのがTB-3だと思った次第です。

参考までに、この動画を見ればTB-3で何が出来るのかよくわかると思います。

808の日に想う。

なんでも昨日8/8は808の日だったそうで、Roland TR-808界隈の皆様方には遅ればせながら謹んでお慶び申し上げます。

恥ずかしながらこのワタクシ、TR-808の現物は未だ見たこともなく、販売当時はYMO版「千のナイフ」のハンドクラップ程度の認識でした。
ヒップホップ/ハウス界隈でリバイバルした頃、某社サンプラーにキットがまるまる付属しており、猿のナントカ並みに多用していたこともあり、サウンドには馴染みがあるんですけれども。

さてこの808の日、生誕の地であらせられる我が国ではちっとも盛り上がらなかったんですが、USのRolandfacebookなどSNSで連日808関連ポストを飛ばしておりました。
無論AIRA TR-8の販促キャンペーンという側面もあるのでしょうが。

そんな中、アメリカ国内やオンラインでDJスクールを催しているDubspotでは、Rolandと組んで808の日にAIRA TR-8を用いたワークショップなどを展開していたわけですが、このページ、下の方へ行くと…

おっ、なんだコレは。

なんとTR-808仕様のTR-8オーバーレイだそうで、808の日にちなんでアメリカ在住の方限定で抽選によりプレゼントされた模様です。素晴らしい!
ちなみにこのオーバーレイ、通常は下記リンク先で販売されているものでして、PayPalを通じて75USドルで入手できます。

◾︎SYNTHGRAPHICS
TR-808 & 909 overlays for Roland TR-8

プレゼント対象外の日本国内TR-8ユーザーの皆さまは奮ってポチされてはいかがでしょうか。
上記リンク先にもあるように、このオーバーレイにはTR-909バージョンもあるので、今度は9/9に向けて909界隈で祭りが始まるんでしょうか。

SYSTEM-1界隈なワタクシとしては、SH-2かPromarsのオーバレイが出てこねーかな、有償でもいいぞコノヤロー、と頭から冷水をぶっかけて念じております。