KORG Gadget 2経由でTORAIZ AS-1とiPhoneが繋がった日。
先日めでたくアップデートしたKORG Gadget 2には、新たに"Taipei"というガジェットが加わりました。
今回は一見MIDIキーボードのように地味なこいつが、実はとんでもなく有能なガジェットだったの巻です。
いや、その実MIDIキーなんだけども。
ツイッター界隈ではElectribe Waveなど別アプリの連動もできると騒がれておりますが、ファクトリープリセットを見ると…
昨今のKORGを代表するハードウェアシンセの錚々たる顔ぶれ。
発売されたばかりのminilogue xdやprologue、monologue、さらにはvolcaの名まで並んでます。
つまり"Taipei"とは、外部MIDI機器を自由自在にコントロールすることのできるガジェットなのであります。
そう書いてある。
となると、iPhoneのLightning端子から繋がりさえすれば、我が家の至宝TORAIZ AS-1もコントロールできるというわけです。ホントか?
KORG謹製のplugKEYにはLightningコネクターとMIDI端子があり、こいつは適任と思いきや、実はMIDI INなんで使えません。
USB Type-BをLightningと繋ぐなんて機会はこれまでなく、手持ちのUSBメス-メスアダプターで強引に結線してみたわけですが、当然ながら無反応。
そこでAmazonで探したところ、MIDIのやりとりができるケーブルを発見しました。
送料別の1,300円だし、しくじっても死ぬことはないだろ、程度の気持ちでポチってみました。
待つこと1日。
ケーブルが届いたので早速AS-1のGLOBALメニューからMIDI関連をセッティングし、iPhoneと接続してGadgetを立ち上げます。
そして"Taipei"のSETTINGボタンを押してみると…
Outputに"Toraiz AS-1"の名を確認。
ずいぶんあっさりと認識したもんだ。
続いて"Taipei"のノブに適当なCCをアサインします。
上の段には左から、OSC1 SHAPE、OSC1 PULSE WIDTH、OSC2 SHAPE、OSC2 PULSE WIDTHを、下の段にはフィルターエンベロープのADSRを設定しました。
フィルターをアサインしてもいいんですが、本体にノブがあるんで、ここは後述するオートメーションで、AS-1の(ポリ)モジュレーションも弄ってやろうという腹でございます。
パッドにはX軸=ピッチベンド、Y軸=モジュレーションの王道コンビをアサインしました。
ただし、iPhone 7Plusではパッドの実寸が2cm四方と小さいため、メロを奏でるなんて芸当は無理。
割り切ってARP ODYSSEYのPPCみたいな使い方でよいかと。
しかしアレですね。
いまどきアナログシンセをPCと繋いだところで嬉しくもなんともないのに、iPhoneとケーブル1本で繋がると、なんかこう、軽く世界を征服した感がありますなあ(利用者の感想です。個人差があります)。
いよいよシーケンスデータの入力です。
AS-1本体でも64ステップのシーケンスは組めますが、Gadgetのシーケンサーならステップ数や譜割りを気にすることなく、単体では不可能なリアルタイム入力も、ゲートタイムの調整も思いのまま。
先に書いたように、"Taipei"のノブにアサインしたパラメータはオートメーション可能です。
指一本でカーブを描けるのもiOSアプリならでは。
CCだけじゃなく、NRPNもアサインできれば最高でしたが。
それと"Taipei"のパネルにはアルペジエイターがあります。これは他のガジェットにもあるSCALEのアルペジエイターとは別に、シーケンスのノートに対してかかるようで…
うーん、うまく説明できないな。
例えばさー、8分音符のシーケンスを作るとするじゃん?で、それに16分音符のアルペジオをかけられんのよ。モードをRandomにしたら変態プレイもOKよ。
…やっぱオラ、説明ヘタだな。ま、早い話がTry itだ。
AS-1もそうですが、たいていアナログシンセにはオーディオインターフェイス機能がないため、音はPCに別途RECしてあとでGadgetの出音にDAWで重ねるとか、フレーズごとに"Zurich"に取り込むという方法しか浮かびません。
しかしながら、アナログシンセをiPhoneからオートメーションさせつつシーケンスさせていると、後先考えることなく、ただひたすらにウェーイwwであります。
ここまでできれば、あとはiPhoneとAS-1のアウトをミキサーに突っ込んで、部屋の照明を暗くしてひとりパーティを開催するだけです。
ところが、iPhone7以降の機種はイヤホン端子が存在しない致命的なクソ仕様のため、Lightning端子をAS-1との接続で潰したら、肝心のGadget自体の音はiPhone本体のスピーカーで確認するしかない、というのが目下のところ実に、実に悩ましい。
ここはもう、液晶バキバキになったiPhone6 PlusをGadgetパーリィ専用機として登板させようかと思案中です。
というか、せっかく自社のハードシンセまで有効活用できるようにしたわけだから、MIDI OUT可能なplugKEYを作っていただけるとありがたいのですがKORG御中。
KORG Gadget 2、ようやく(3/2追記)
2月がこんなに長かったとは。
最終日の28日、KORG Gadgetがバージョン4.0.0となり、名称もKORG Gadget 2と変更されましたやれやれ。
実はこの日東京へ出張中で、短い移動時間の中、公衆LANではまともにアップデートができず、しかも帰りの新幹線ではフリーWi-Fiを掴めずで、結局帰宅してからの作業となったわけです。
ところが今回のアップデートで一番楽しみにしていた新ガジェット"Memphis"(MS-20)と"Pompei"(Poly-Six)が、選択画面に現れないときた。
あ、これはiPhoneだ。
つうことは…例のリモートインストールか!
と気付いた次第。いやぁ慌てた慌てた。
iPad2(その後買ってねぇの)にはiMS-20もiPolySixも入れてあったんですが、娘に液晶を破壊されたため、1年以上使ってなかったのですよ。
充電から起動まで30分。1時間経ってもバッテリー5%とは先が思いやられる。かなりヘタってるなオイ。
そしてiOSのバージョンアップから始まり、長い長いアプリごとのアップデートを経て、朝7時。
ようやくようやく今の今、iPhoneへのリモートインストールが完了しました。
時間もないので、いま制作中のトラックをちょいと弄ってキャプチャ撮りました。
ガジェットごとにトラックカラーが設定されたとのことですが…
うむ、色味が微妙である。
ひとまずエフェクトにエキスパンダーやらエンハンサーが加わっているのを確認して、出社の時間となりました。
詳細はまた後日!
(3/2追記)
…と書いたところで、僕は僕なりの使い道を模索中で、また週末に大仕事をひとつ控えていることもあり、まだあれこれ書ける段階じゃございません。
調べたところ、大まかな新機能については、くらんけさんが書かれているこちら↓が詳しいと思われますのでぜひご一読を(省エネ)
ひとまず、外部MIDI機器をコントロールできるという新ガジェット"Taipei"で、僕の自慢の黒いアレをナニしようかと画策しております。
その経過はまた追って。
発売から20年超のロングセラー Roland SPシリーズ。
こんな動画を発見しました。
あら懐かしのSP-404、こんな組み合わせも面白いねぇと眺めていたところ、これがRoland公式の動画であることに気づきまして。
あれ、まだ現行商品だっけ?と思って調べてみたら、なんと海外にはSP-404Aという型番の製品があるようで。
しかもこれ、あのAIRAのラインナップなんですなぁ。そっか、AIRAの"A"かぁ。
大昔に仕事で使ったSP-404が見つかったんで、取説を探そうと検索かけて、この動画にたどり着いた次第ですが、知らなかったなぁ。
え、ご存知でした?ありゃ、さすが好事家さんには勝てませんなぁ。
上掲の動画では、AIRA1期生のTR-8&TB-3とのパフォーマンスが紹介されてますが、なにせ昨年TR-8Sが登場してるので、もうサンプラー要らなくね?という流れでいつまで販売されるかは謎ですけども。
2005年発売の初代から、カラーリング以外ほとんどデザインが変わってませんしね。
AS-1と並べたらほとんど同じサイズ
いま掘り出してきたのは、まさにこの初代機。
AS-1とサンプラーを組み合わせてトラックメイクでもと思い久々に使ってるんですが、意外と苦戦してまして。
というのも、Aボタン+Bボタン+右ボタンみたいなコンボ技がかなり多く、オート・サンプリング思い出すのに2分もかかったじゃないか。
10年前までは使いこなせたのに、いまや取扱説明書なしにはどうにもこうにも。
まあひとまずベードラ、ハットなどAS-1だけで作った音を放り込んでみようとトライしております。
ま、結果はまた佳き日に。
SPシリーズといえば、2000年にSP-808EXを購入していました。
サンプラーとMTRの中間にあるような製品で、随分重宝しました。
絶対使わないと思うのに捨てられない機材ってありますわね。
ZIPドライブが死んでミキサー以外機能全滅
97年発売のHDD内臓MTR、VS-880をベースに開発されたそうですが、確かにZIPメディアを使うところや操作性も似てますな。
ローランドの廉価サンプラーと言えば、こんなのもありました。
80年代後期にRolandからはSシリーズが発売されていましたが、いったんその流れが途絶え、突然95年頃に3万円台で発売されたのが、このMS-1です。
この値段で44.1kHzでのサンプリングが可能ということで人気だったこの機種ですが、おそらくこれがSPシリーズの源流じゃないかと察します。
SPの名を冠した初号機SP-202は1997年にBOSSから発売され、翌年にはRolandからSP-808が発売となり、以降両社で商品展開されました。
2000年にRolandからSP-808EX、その翌年にはBOSSからSP-303とSP-505、そして2005年にはSP-404、2009年にSP-404SXがRolandから発売という流れ。なんだこれは。
初代404の記録メディアにはコンパクトフラッシュが採用され、音質が向上した後継機404SXではSDカードに対応。
先ほど海外展開のSP-404Aについて書きましたが、実は国内ではこの404SXが発売から10年経った今なお販売されております。
同社のロングセラーって結構珍しいんじゃないですかね。
シリーズはさらに上位機種の606、555と続きますが、この頃には著作(隣接)権抵触への不安からユーザーのサンプリング熱も下がったのか、これらは早々に市場から消えました。
昨今はフレーズ・サンプリングの用途よりワンショットのニーズのが増えているのか、それほど長時間にこだわったマシンが出てきてない気もします。
404SXのスペックは16ビットリニア/44.1kHzで、最近のハイレゾ水準からすると物足りなさを感じる人もいるでしょうが、上記の問題からするとギリギリなんだろうな、という気もします。
32GBのSDカードならステレオで48時間も録れちゃうんだけどね。
ちなみにいま使ってる初代404に話を戻すと、CDクオリティ並み(以下?)のスペックの割に、結構音がいいんだよなぁ。
単に加齢で高周波が聴こえてないのかもしんないけども。
関係者ご一同様に観てほしい、AS-1愛の強いユーザー動画。
NAMMも無事に終わったようで、好事家にとって春の浪費を加速しそうな新機種もあらかた出揃い、もう満腹じゃよーとゴロ寝のご同輩も多いことかと思います。
それはさておき、こちらも異国のハナシですが、今日(1/31)こんなビデオが公開されていました。
タイトルを訳すと「こんなにいいシンセなのに、どうして誰も話題にしないんだい?」ってとこでしょうか。
ええ、TORAIZ AS-1のことですよ。
デモ演奏を交えつつ、時折AS-1への熱い想いを語る男性の動画です。
なんというか、恋人への熱いビデオレターのような風情です。
僕はよく知らない方ですが、ユーザーとして同感するところもあり。
発売から2年。どんなに発売時に話題性のあったシンセも、とっくに風化してしまう時間ではありますが、このシンセに関しては、海外ではフォーラムで細々と脈々とスレッドが続いています。
最近は「シンクの不具合が放置されとるがね」とか「早くアップデートせいや、いい加減(プンスカ)」的なフラストレーションも見受けられるんですけども、それでもなかなか手放すユーザーのいない、そんなAS-1でございます。
つい先日、生みの親であるパイオニアさんが、このAS-1の兄貴分にあたるサンプラーSP-16(DSI=現SEQUENCIAL社監修)のチュートリアル動画を、なんと日本語字幕付きで公開しました。
SP-16はAS-1より1年近く前の2016年春に発売された機種ですが、これは「うちはロングセラーを目指しますよ」という意思表示にも見えます。
いずれAS-1についても何かしらのフォローをするんだろうなと期待しながら見守りたいと思います。
いやホント、いいシンセですから。お願いしますよパイオニアさん。
Arturia、タッチ鍵盤のMicroFreak発表で、いろいろ考えた。
シンセサイザーが日本でどれほどニッチなホビーと言えど、世界規模ともなれば充分なマーケットになるわけでして、さらに価格競争ともなれば、我が国が誇る3大メーカーもウカウカしちゃいられません。
まさにNAMM 2019真っ盛りの今、またもこのブログで扱うに相応しい「ちょっとお小遣いを貯めればなんとかなるシンセ」が、今度はエスプリの薫り高き国・仏蘭西からやってきました。
って、なんだこの書き出しは。
ニッチなお友だち諸兄には説明不要のArturiaが、Eurorackモジュラー・メーカーのMutable Instrumentsと共同開発したシンセ、"MicroFreak"を発表しました。
かの"Minimoog V"をはじめとする名機を再現したソフトシンセからハードに手を広げ、"Minibrute""Microbrute"など、アナログシンセ一筋にリリースしてきたArturia。
出典: Arturia
今回の"MicroFreak"はオシレーターにデジタル、フィルターにアナログというハイブリットな4ボイスシンセとなりました。
名は体を表すと言いますが、このなんとも禍々しくフリーキーなルックスと、その薄さに目を奪われてしまいますな。
Eurorackだのなんだのは、ワタクシの不得手分野ですし、その辺りの協業やら開発云々については、おなじみのICONさんがメーカーに取材されてますのでご参照のほどひとつ。
モーションも記録可能な64ステップのシーケンサーやアルペジエイター、出逢い系なランダマイザーなど、廉価シンセのトレンドをほぼ網羅してますが、ここで触れておきたいのはタッチ式のキーボード。
なんとこの価格帯でアフタータッチにも対応しております。
タッチパネル式鍵盤と言えば、拙ブログでは先日こんな記事をアップしておりました。
奇しくもNAMM直前には、あのスタイロフォン(英dubreq社)からこんなシンセも発表されていました。
産業遺産を思わせるアンティークな出で立ちのこちらは、パッチングも可能なフルアナログシンセ。
上掲の動画ではブリブリと太ましいサウンドを響かせておりますが、やはり外観上目立つのはタッチ式のキーボードです。
まあ、そもそものStylophoneが、金属製のキーボード+スタイラスなんですけども。
これ買ったの、もう12年前かぁ…
さて気になる価格ですが、Arturia MicroFreakも、Stylophone GEN-R8も、ともに海外で349ドルとのこと。
国内価格は大手ショップも「未定」とありますが、まあ5万円以内で入手できるんでしょうな。
ここ最近の記事にも書いたように、この価格帯は近年にない充実のラインナップとなっております。
で、以下は戯言です。
この2019年を境に、数万円台のシンセでは物理的な耐久性の問題やコスト面からか、示し合わせたかのように、タッチ式鍵盤のトレンド化が一層高まった感があります。
日本における製品紹介も「キーマガ向け」と「サンレコ向け」の二極化が進んでるように思うんですが、大変なのは若いビギナーです。
低価格で何か欲しいと思ったら、いきなり「お前はシンセを鳴らしたいのか、それとも鍵盤を弾きたいのか」と金銀の斧的選択を迫られるからてす。
一方、この数年続いてきた音源のフルアナログ化も飽和状態となりつつあり、VAやFM、Wavetableなど複数のオシレーターをチョイスできるタイプも増えています。
今回たまたま並べたMicroFreakとGEN-R8は、電子楽器のトレンド分岐点を象徴しているんじゃないかと。
フルアナログで音を追求するモノフォニックシンセと、デジタルながらより深い音楽体験を味わえるポリシンセの二極化もあるようです。
その意味で、KORGの新商品minilogue xdは、若干高めですが、廉価シンセが現在置かれているあらゆる分岐点の、ちょうどド真ん中にある稀有な商品だなと思います。
ところで拙ブログは、最初に手に入れたシンセをタイトルにしていますが、やはり初めて抱いたオンナというのは思い出度合いが2人目以降とは異なるものです。
アタクシの場合、「SH-101で良かった」と堂々と胸を張れますし、少し下の世代になると「TMN好きだからEOS一択でしたよ」なんて喜んで話してくれます。
しかし、今のビギナーたちは、例えばリアル鍵盤かパネル式かで失敗したり、はたまたクローンと陰口を叩かれているのを知りorz…なんてことだってあるわけです。
シンセ童貞の皆さんには、後で後悔しないよう、本気で遊べるいいシンセを見つけていただきたいものだなと思います。
総括っぽいこと書いてますけど、要するに、廉価シンセはメーカー含めて選択肢が増えてオッサンには楽しいけど、未成年のビギナーは用心しろよ、というところでひとまず本稿を締めます。
Elektronの新作グルーヴボックスがなかなか。
こんなダメブログに立ち寄るダメなお友だちも要注目の、世界最大の楽器見本市"NAMM Show 2019"がいよいよ開催です。
そんな注目を開催前から集めてしまっているのが、Elektronが放った新作グルーヴボックス"Model:Samples"であります。
Elektronと言えば、2013年に発売した4ボイスのシーケンサー付きアナログ・シンセサイザー"Analog Four"で、日本でも一躍人気メーカーの仲間入りを果たしました。
出典:Elektron
今回発表されたModel:Samplesは、6トラックのグルーヴボックス。
白い筺体とワンポイント的に使われたオレンジのノブが目を引き、さすがはメイドイン・IKEAの国という感じであります。
パネルで目立つ大きめの6つのパッドは、シーケンスを入力したり、再生中に叩いて演奏することも可能。
音源は"Splice"という名の300種類のプリセットサンプルからチョイス、ということですが、本体には外部入力端子はありません。
出典:Elektron
既に公開されているマニュアルによれば、無償のPCアプリで自前のサンプルを加えることもできるそうです。
この辺、volca sampleみたいなモノかなと思いなせぇ。
そしてトラックごとにピッチ、ディケイ、スタート、エンドというサンプラーの基本機能に加え、カットオフ、レゾナンス、LFOなどやエフェクト等のパラメーターがノブで操作可能。
この辺りもvolca sample的ですな。
クロマチックモードで音階も付けられ、エフェクトはディレイ、リバーブが独立してかけられるということで、かなりシンセに寄ったサウンドメイクができそうです。
出典:Elektron
ノブのひとつに"CHANCE"という名のものがあり、伊東四朗さんが「ショウシンはこちら!」とか叫ぶのかと思いきや、運試しに回してみると予想外のフレーズが飛び出す、出逢い系パラメーターというか、要するに最近人気のランダマイズ機能のようです。
他にもトラックごとにステップ数やスケールを別々に設定できたり、モーションシーケンスに対応していたり、とあれこれできるそうですが、驚いたのはパターン数。
プロジェクトが96、それぞれに96パターンあるそうですが、それって最大9,216パターンもあるわけで、果たして世界で最初に誰が埋められるか、なんて選手権大会が行われたらみんな死んじゃうよな。
それはさておき、発売に先駆けて公開されているデモパフォーマンスの中でも、とりわけ「こんなこともできるの!?」と驚くのがこちらの動画です。
ワタクシとしては、AS-1と相性の良さ気なリズムマシンを物色していたので、サイズ的にもジャストフィットなこちらを最有力候補と見ております。
まあ、すぐには買えないんだけどね。
Model:Samplesは2月初旬の発売が決まっており、すでに国内でも予約受付が開始されています。
どのお店もなんとなく税込59,900円がキックオフ価格のようです。
TORAIZ AS-1の不思議なスラー
TORAIZ AS-1を購入して1ヶ月。
毎日のように鳴らしながら、本当に素晴らしいシンセだと感心しているんですが、未だに謎なのが、以前も触れたシーケンサーのスラー効果。
今回は、どのくらい謎なのかをお知らせすべく、動画(静止画+音声)にして公開してみました。
その効果を簡単に把握いただけるよう、音色をノコギリ波・1オシレーターのみのイニシャルボイスにして、超簡単な2小節のフレーズを作りました。
では動画の流れに沿って、説明いたしましょう。
まずスラーなしのフレーズ。
AS-1のシーケンサーは、基本的にゲートタイムが75〜80%に設定されているのではないかと考えられます。
気になる方はHOLDボタンを押すことにより100%で再生可能です(休符も鳴りっぱなしになりますが)。
最初の音(C3)にのみスラーを設定しました。
再生すると、いきなり妙なところからポルタメントが降下してフレーズが始まります。
念のためスライドは切っていますし、再生の直前にC2を鳴らしましたが、シーケンスは直前のノートとは無関係に、上からフニャっと降りてくるところから始まります。
続いてフレーズの最高音にあたる8音目のC4のみにスラーを入れてみました。
通常ですと、C4の存在感を示しつつ次のC3へと降下していくものですが、この例では直前のB3からC4を経由せずに下がっているかのように聴こえます。
最後に、2小節目の最後のC4にのみスラーを設定しました。
この後1小節分の休符を打ち込んでいるんですが、あたかもA3から降りているように聴こえます。
先程の例以上に顕著な急降下ぶりは、株価で言うところの「乱高下」を可聴化したものと言えましょう。
AS-1はシンセの基礎体力とも言える波形の質感やフィルターの切れが素晴らしいため、存在感ありまくりのベースサウンドもお手の物です。
それゆえTB-303的にウニョらせたいとスラーを使ってフレーズを作ってみると、「あれ?」と戸惑うでしょう。
隣り合うひとつ上のノートへ移るのに、なぜかいったん下がって上昇するなどスリル満点で、いやホント、一筋縄ではイキません。
PCのMIDIシーケンサー風情なんぞでは味わえない、ワンアンドオンリーのアグレッシブなフレージングを楽しめます。
今回は作例にイニシャルボイスを使いましたが、PWMをかけまくったりエフェクトにBBD(ディレイ)を使ってみると、幻想的な音程変化に聴こえちゃうからなかなか面白いです。
なお同様に指摘していた、フィルターの自己発振音にスライドがかからない件は、Prophet-6譲りということが判明しました。お騒がせいたしました。
現場からは以上です。